デイリー・アップデート

2020年7月27日 (月)

[日本/中国/ASEAN] 日本政府はコロナ禍で、中国にある自国企業の製造業生産拠点を日本や東南アジアに移転するため、補助金を支給してこれを加速させる意向。日本にとって最大の貿易相手国である中国への日本製造業の依存度を低くし、サプライチェーンを安定化させる狙い。第1弾は医療用品製造業者。マスクを生産するアイリスオーヤマ、アルコール消毒液を生産するサラヤなど57社に対し、総額574億円の補助金を支給する。経済産業省はここ数年、中国への依存度を低下させるよう働きかけている。

[米国] 労働省によると、7月18日までの1週間の新規失業保険申請件数は141.6万件となり、前週の130.7万件から増加した。増加は16週ぶり。一方、7月11日までの継続受給者数は1,619.7万人と、前週から110.7万人の減少となった。足元にかけてCOVID-19の感染が拡大しており、経済活動も部分的に制限されているため、レイオフなどが再び増加しつつあり、雇用環境の回復は段階的に進んでいる。

[ロシア] 7月24日、ロシア中央銀行は金融政策決定会合で、主要な政策金利を年4.5%から4.25%に引き下げることを決定した。利下げは3会合連続。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、悪化する景気の下支えを図る。今後の会合でさらなる利下げを検討する可能性も示した。

[EU/英国] 7月23日、英国との将来協定交渉に臨むEUのバルニエ首席交渉官が、漁業権や公正な競争環境などに関する溝を埋めることができないことから、現時点で合意できる「可能性は低い」と発言。一方、英国側の交渉官、フロスト氏は「9月中の合意が可能」との見解を発表。フロスト交渉官は10月から首相補佐官に就任することから、ジョンソン首相が交渉を打ち切る可能性もある。

[米/中] 7月22日、米国政府は在ヒューストン中国領事館に対し、72時間以内の閉鎖を要求した。当該領事館が中国政府のスパイ活動や知的財産窃盗の「震源地」になっていたためと説明。23日、ポンペオ国務長官は、これまでの対中関与政策を否定し、中国の政治体制を批判する厳しい対中演説を行った。中国政府は対抗措置として、四川省成都にある米総領事館の閉鎖を命じたが、それに関する国内での報道は抑え気味で、米国に対しては自制的な姿勢を維持している。

[レバノン] 7月23日から2日間の日程でルドリアン仏外相がレバノンを訪問。レバノンは今年3月にデフォルトを発表しIMF及び国際社会に対して財政支援を要請しているが、改革の意思を見せる政府と中央銀行を中心とする銀行業界との話し合いがうまく行かず、IMFとの交渉も頓挫している。同外相は、仏はレバノンを支援する準備があるが、まずはレバノン政府が改革断行の意思を見せてIMFからの支援を受けることが重要であるとしている。仏はレバノンの旧宗主国で依然大きな影響力を持っている。

[ボリビア] ボリビア 最高選挙裁判所(TSE)は新型コロナウイルスの感染拡大と有権者が安全に投票を行うことが困難との理由で、9月6日に投票が予定されていた大統領選挙・議会選挙を10月18日まで再延期することを決定した。ボリビア議会の上下両院を支配し、モラレス前政権を支えてきた政党・社会主義運動(MAS)は、TSEの決定をアニェス暫定大統領の政権継続に肩入れするものであるとして厳しく非難。

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