デイリー・アップデート

2020年7月13日 (月)

[EU] 今週7月17日・18日の緊急サミットを前に、7月10日にミシェル大統領が「交渉案(Negotiation Box)」を発表。提示したのは、①EU予算の縮小、②純支出国であるドイツとFrugal Four四か国へのリベートの維持、③NGEU(Next Generation EU = 次世代欧州連合)復興基金案の維持、④loan/grant比率の維持、⑤Recovery and Resilience Facility(RRF = 復興回復ファシリティ)における環境関連支出の増額、⑥資金供与に際して非供与国に求められるガバナンスと条件の6点。ガバナンスや条件が資金提供に紐付いていることに対し、ギリシャやハンガリーが反対を表明しているほか、オランダが加盟国の承認プロセスも追加するべきと主張するなど、今後の審議過程で混乱が予想される。

[中国] ◇中国汽車(自動車)工業協会の発表によると、本年1~6月累計の自動車生産台数と工場出荷台数はそれぞれ1,011.2万台/1,025.7万台で、前年同期比▲16.8%/▲16.9%となった。同協会はマイナス幅が月ごとに縮小し、全体的に予想よりも良いとコメント。◇中国工事機械工業協会のデータによると、本年1~6月累計のパワーショベルの国内販売台数は153,371台で前年同期比+25%となり、業界では2020年通年販売30万台、同+25%を期待。特に4/5/6月各単月の販売実績は、前年同月比+64%/+75%/+73%と驚異的な伸長。

[インド/台湾] 報道によれば、インド外務省は、対台湾窓口機関であるインド台北協会(ITA)の次のトップに、現米国担当次官補のGourangalal Das氏を任命する予定。Das氏は北京勤務の経験があり中国語が堪能。その後、ワシントン勤務を経て、モディ首相訪米や日米豪印「クァッド(Quad = 四か国間)協力」に携わった。中印国境での紛争が激化した後、インド国内で台北との関係を強化すべきという声が起こっている中、今回の人事が決められた。台湾側も、次の駐印台北経済文化センター代表に葛葆萱・東アジア太平洋局長を任命する予定。

[米国] 過去数日間、米国内の一日当たりの新型コロナウイルス感染者数が合計6万人を上回る状況が続いているが、フロリダ州では7月12日の感染者数が1万5,299名と過去最多を記録し、全米に占める人口の割合が7%の同州は全米の一日当たりの合計感染者数の約4分の1を占めている状況。州内の40以上の医療機関の集中治療室(ICU)の病床利用率がほぼ満室状態となっている。

[中国] 7月10日、中国自動車工業協会は、6月の新車販売台数が前年同月比+11.6%の230万台と発表。6月の販売としては過去最高を更新。2か月連続で前年同月比2桁増を記録した。新型コロナウイルスによる打撃からの回復が鮮明に。うち、乗用車が+1.8%の176万4,000台。SUVが+10.5%の82万2,000台で乗用車の全体をけん引。商用車は+63.1%の53万6,000台。トラックの好調に伴い単月販売の過去最高を記録した。

[ポーランド] 7月12日、大統領選挙の決選投票が行われた。ある出口調査の結果では、政権与党の右派政党「法と正義」が支持する現職のアンジェイ・ドゥダ大統領の得票率が50.8%、最大野党「市民プラットフォーム」候補でワルシャワ市長のラファウ・チャスコフスキ氏が49.2%で、ドゥダ氏がわずかに上回っている。

[シンガポール] 7月10日、総選挙が行われ、与党「人民行動党(PAP)」が93議席中83議席を獲得して勝利。ただ、得票率は前回(2015年)の69.9%から61.2%に大きく下がった。野党「労働者党(WP)」は10議席を獲得。過去最大の議席数で、2桁に達したのはシンガポール独立(1965)以来初めて。他の野党も議席は取れなかったが善戦した。次期首相の最有力候補であるヘン・スイキャット副首相兼財務相はグループ選挙区で得票率53%の辛勝。PAPが9割の議席を占める状況に変わりはないものの、国民意識の変化をあらためて感じさせる結果となった。

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