デイリー・アップデート

2022年2月2日 (水)

[米国] 供給管理協会(ISM)が発表する製造業景気指数は1月に57.6となり、前月から▲1.2ptと低下した。これで、3か月連続の低下となった。内訳をみると、新規受注指数や生産指数などの低下が目立った一方で、雇用指数は小幅上昇した。コメントから、原材料不足や物流網など供給網の問題や、感染等による隔離や転職の増加に伴う人手不足、物価上昇などが製造業の重石になっている様子がうかがえる。

[ミャンマー] クーデターから1週年の2月1日、市民は外出や出勤を行わない「サイレント・ストライキ」を実施し、国軍への抗議を表明。ミンアウンフライン国軍司令官はテレビ演説で、民主派が設立した「挙国一致政府(NUG)」や市民が武装した「国民防衛隊(PDF)」を「テロリスト」と呼んで非難、抑圧を続ける姿勢を強調。選挙については比例代表制を導入する方針を改めて述べ、新型コロナウイルスについては、ワクチンの国内生産を2月に開始すると表明。一方、1月31日、米英加、EU、豪州、NZ、韓国、ノルウェー、スイス、アルバニアの10か国・機関の外相らが、国軍を批判し暴力の即時停止やASEANの5項目のコンセンサスの履行を求める共同声明を発表した。日本政府は、2月1日、現状を懸念し、国軍に暴力の即時停止等を求める林外相の談話を発表。

[UAE] 1月31日、UAE財務省は国内で活動する企業に対し法人税を導入することを発表した。適用は2023年6月以降で税率は9%となる。なお、フリーゾーン内のみで活動する企業や、利益が37.5万ディルハム(約1,170万円)以下の企業は課税対象外となる。昨年10月にOECD加盟国など130か国以上が、多国籍企業に対し最低15%の法人税を課すことに合意した動きに歩調を合わせるもの。国際基準に対応すると同時に、政府の税収を増やすことが目的。9%という低めの税率を設定することで多国籍企業の国外流出を防ぐ。

[米国] バイデン大統領は、自らの経済公約「Build Back Better(より優れた再建)」の3本柱の1つである歳出法案の「Build Back Better法案」について、昨年末民主党穏健中道派のマンチン上院議員の反対を受けたため、同法案の個別法案化により成立を目指す方針を今年1月19日の記者会見の中で表明。BBB法案の個別法案を巡るホワイトハウスとマンチン上院議員との協議は今週再開されるが、ホワイトハウスはマンチン上院議員に対してより慎重な姿勢で協議に臨む方針。

[ロシア/ハンガリー] 2月1日、ロシアのプーチン大統領はモスクワでハンガリーのオルバン首相と会談し、ハンガリーへの天然ガス供給を拡大することで一致した。ハンガリーは2021年9月、ロシア国営ガスプロムと15年間の長期供給契約を結んでおり、年45億立方メートルの天然ガスを輸入する予定だが、今後さらに増量する。

[マカオ/中国] マカオ司法警察局は、1月30日、違法なオンラインカジノの経営やマネーロンダリング容疑などでマカオ在住者の逮捕・送検を発表、地元紙が、カジノ仲介業No.2のタクチュン・グループのトップであるレヴォ・チャンを含むと報じた。昨年11月、同様の容疑で、カジノ仲介業No.1のサンシティー・グループのトップだったアルビン・チャウらが逮捕・送検されている。マカオの法令に基づく逮捕だが、顧客は主に中国人。中国公安部は越境ネット賭博などの犯罪に資金決済サービスを提供する地下銀行や決済プラットフォームの取締り方針を明示している。

[中国] 中国が北京冬季五輪を招致したとき、2022年までに中国のウインタースポーツ人口を3億人獲得するという目標を掲げていたが、北京オリンピック組織委員会は、予想を上回る3.46億人を獲得したと発表した。2020年に中国のスキーリゾート業界は売上940億ドルの規模にまで成長した一方、感染症の影響で五輪に参加する外国人観光客や一般中国人観光客は極めて限定的で、五輪を見越して付近のリゾート開発に投資した地元当局や業者は債務返済に苦慮していると報じられている。

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