デイリー・アップデート

2022年2月1日 (火)

[米/ロ] バイデン政権高官はロシアがウクライナを侵攻した場合に発動する対ロシア追加経済制裁措置の対象となる個人について、プーチン大統領に近いロシア政府のインナーサークルの中にいる、あるいは、インナーサークルに近い人物であり、ロシア政府の意思決定に一定の役割を担っていたり、ロシア政府による不安定化行動に最低限共謀している人物であるとメディアに対して説明した。米英両国政府は新興財閥オルガルヒを標的にした制裁リストを作成済みと説明。

[中国] 1月30日、国家統計局が発表した1月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.1(12月50.3)、非製造業PMIは51.1(12月52.7)に低下した。毎年、春節の連休に労働者が帰省するため1月と2月に生産活動が減少することに加えて、2月4日の北京冬季五輪の開幕を控え、政府が大気汚染抑制策を講じたため経済活動が鈍化した。住宅販売の減少、オミクロン株拡散抑制のための制限措置の導入も影響した。財新/マークイットが発表した1月の製造業PMIは49.1(12月50.9)に低下し、2年ぶりの低水準となった。

[欧州] EU統計局によると、2021年Q4の実質GDP成長率は前期比+0.3%と、3四半期連続のプラス成長となったものの、Q3の+2.3%からは減速した。国別にみると、ドイツが同▲0.7%と3四半期ぶりのマイナス成長になった一方で、フランスは+0.7%、イタリアは+0.6%、スペインは+2.0%とプラス成長になった。ドイツでは、ワクチン未接種者に対する行動制限の強化や、半導体や原材料などの供給網の問題などから下押し圧力が強まっていた。

[北朝鮮/韓国] 1月30日、北朝鮮は中距離弾道ミサイル(IRBM)を発射し、翌日、「火星12」の発射実験の成功を発表した。ミサイル発射当日、韓国の文在寅大統領は、約1年ぶりに国家安全保障会議(NSC)の全体会議を主宰し、北朝鮮のモラトリアム(核実験および長距離弾道ミサイル試験発射猶予)破棄が近づいていることを懸念、対応を協議した。今回の発射は、2018年4月に北朝鮮がモラトリアムを宣言してから発射したミサイルのうち最長距離のものとみられる。

[ミャンマー] 2月1日、国軍によるクーデターから1周年を迎えた。国軍は1月31日に国防治安評議会を開き、非常事態宣言の半年間延長を決定した。また、同日、米英加の3か国は連携して追加制裁を発表した。米国は国軍に関連する7個人・2団体、英加は3個人を制裁対象に加えた。政治犯支援協会(AAPP)によると、1月31日時点でクーデター後の死者数は1,503人に上る。

[米/カタール] 1月31日、カタールのタミーム首長がホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、同大統領はカタールを「非NATOの主要同盟国」に格上げする手続きを取ると発表した。バイデン政権下でホワイトハウスに招待されたのは、ペルシャ湾岸諸国のトップとして初めて。カタールには中東地域最大の米空軍基地があり、アフガニスタンからの米軍撤退時のカタールによる支援はバイデン政権により賞賛された。イランやタリバン政権との特別な関係性やLNG輸出大国としてのカタールの存在感は、以前にも増して大きくなっている。

[中国] 1月29日、人民銀行と国家外貨管理局は、銀行が海外で外国企業に貸付業務を行う際の原則的ルールを通知した。対象は、国家開発銀行、輸銀、国有大手商業銀行、外資の国内銀行など国内27行。通知の主な内容は、外国企業に対する人民元貸付の奨励;海外における貸付残高に上限を設定(同資金の流動をマクロプルーデンス管理に組み入れ);貸付金は外国企業による証券投資、(国内担保付きでの海外貸付などの)債務返済、架空・投機的取引、(国内企業への融資などによる)国内への引き戻しなどに用いないことなど。3月1日から施行。

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