デイリー・アップデート

2022年7月1日 (金)

[ロシア] 日本企業が出資参加しているロシア極東の資源プロジェクト「サハリン2」について、プーチン大統領は6月30日、運営会社の資産をロシアの新会社に無償で譲渡することを命じる大統領令に署名した。今回の命令によると、ロシアのガスプロムの出資は維持され、他の出資者は1か月以内にロシア政府に新会社の株式取得の承認を申請して認められれば出資を継続できる。

[フィリピン] 6月30日、フェルディナンド・マルコス元上院議員が第17代大統領に就任した。マニラの国立博物館で就任宣誓式が開かれ、日本から林外相、米国からエムホフ副大統領夫君、中国から王岐山国家副主席ら計約15か国の政府要人が参加した。マルコス新大統領は、演説では経済政策の重要性を強調し、新型コロナ禍からの回復に向けた包括的な計画を策定していると述べた。また父のマルコス元大統領の業績をたたえ、自分も父と同様に多くを成し遂げると宣言した。さらにウクライナでの悲劇から大国が誤った教訓を得てしまえば、暗い紛争が世界へ広がってしまうだろうと述べた。中国を暗に牽制したとみられる。

[イスラエル] 6月30日、イスラエルの国会で国会解散法案が可決され、11月1日に総選挙が実施されることが決定した。3年半で5回目の総選挙となる。連立合意に基づき、6月30日にベネット首相は退任。7月1日からはラピード外相が外相兼任のまま暫定政権の首相に就く。ベネット氏は暫定政権内で首相代行の座に留まるが、11月の選挙には出馬しないことを発表し、政党ヤミーナ党の党首の座もナンバー2に委譲した。11月の選挙では、汚職容疑で現在裁判中のネタニヤフ元首相が首相職への返り咲きを狙う。

[日本] 日本銀行『短観』によると、大企業製造業の業況判断指数(DI、「良い」と「悪い」の回答割合の差)は+9となり、前回3月調査の+14から低下した。低下は2期連続だった。中国の都市封鎖に伴う物流網の混乱や資源エネルギー価格の上昇などから、鉄鋼や非鉄金属、はん用機械、自動車などで低下した。一方、非製造業は+13となり、前回の+9から2期ぶりに改善した。また、コスト高から販売価格に転嫁する動きも広がっており、企業の物価見通しも上方修正された。

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