デイリー・アップデート

2022年7月12日 (火)

[ペルー] 政治的な不安定さと、資源価格の下落によりペルー経済の見通しが悪化している。銅価格は年初来2割以上下落し、経常赤字は昨年の2倍以上に拡大するとみられる。これまでは同国へのFDI(海外直接投資)が経常赤字を相殺していたが、政情不安もあって短期資金も流出しており、2022年のGDP成長率は+2%を下回る可能性がある。

[米国] NY連銀の6月調査(”Survey of Consumer Expectations”)によると、消費者の1年先の期待インフレ率は+6.8%となり、5月時点の+6.6%から上昇し、2013年の調査開始以降で最高値となった。一方で、3年先の期待インフレ率は+3.6%となり、5月の+3.9%から低下した。足元の高騰する物価上昇を踏まえて、目先のインフレ期待が高まる一方で、それより先のインフレ期待は落ちつきつつあるようだ。

[中国] 7月11日、「財新網」が報じた中国人民銀行の6月の金融データによると、同月の人民元建て新規融資額は前月末から2.81兆元増加し、前年同月比でも約6,900億元増加した。光大証券のチーフ金融アナリストは、2022年2Q以降の貸付金利低下と6月以降の経済回復を増加要因として挙げた。6月の非金融企業の新規融資額が2.21兆元、前年同月比7,500億元以上増加したのに対し、個人向け新規融資は8,482億元と5月の3倍弱増加したものの前年同月比では207億元少なく、個人向け融資状況の修復は企業ほど進んでいないもよう。

[中国/インド/世界] 7月11日に国連が発表した「世界人口の展望:2022」によると、2023年にインドは中国を抜いて、世界で最も人口の多い国になる。世界の平均出生率(女性一人が生涯に産む子供の数)は1950年の約5人から2021年には2.3人に低下し、2050年には2.1人になると予想されているが、母子死亡率の低下や寿命の延びにより、世界人口は今年11月時点で80億人、2030年に85億人、2100年には104億人に達する可能性があるとしている。サハラ以南のアフリカ諸国が、2050年までの人口増加数の半分以上を占めると予想されている。

[シリア] 国連を通じたシリア北西部へのトルコからの「越境支援」について、7月8日に国連安保理で欧米諸国は1年延長を提案したが、ロシアが拒否権を行使。ロシアは6か月間の延長を提案したが、米英仏が反対して却下された。協議はまとまらず10日に期限切れを迎えた。アサド政権を支持するロシアは、越境支援はシリアの主権侵害であるとして早期停止を求めているが、北西部の反体制派地域はシリア国軍に包囲されており、越境支援が停止すれば少なくとも240万人の難民が支援を得られず危機的状況に陥る可能性がある。

[中国] 7月11日、中国自動車工業協会は2022年6月の新車販売台数が前年同月比+23.8%の250万2,000台と発表した。COVID-19抑制のための規制が緩和されたことに加え、政府による自動車消費刺激策を背景に4カ月ぶりに前年同月比でプラスに転じた(5月は同▲12.6%)。6月の新エネルギー車(NEV)の販売台数は前年同月比2.3倍の59万6,000台と過去最高の販売台数を更新。NEVの全体の新車販売に占める割合は23.8%となった。

[ロシア] 下院の臨時議会が7月15日に招集される。審議事項については明らかにされていない。下院は7月6日から夏季休暇に入っていたが、今回は急きょ臨時議会が招集された。ボロジン下院議長は7日のプーチン大統領との面会で、ロシアが支援するウクライナ東部の2つの「共和国」の法制度整備をロシア議会が支援すると伝えた。

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