デイリー・アップデート

2022年7月27日 (水)

[日本] 7月の内閣府『月例経済報告』によると、景気の基調判断は「緩やかに持ち直している」と、6月の「持ち直しの動きがみられる」から、3か月ぶりに上方修正された。行動制限が解除された中で、個人消費が「緩やかに持ち直している」と3か月ぶりに、また雇用環境も2か月ぶりに上方修正された。これまでのところ、経済活動の再開に伴い景気も上向きであるものの、足元で感染が再拡大していることもあり、先行きには懸念が残っている。

[サウジアラビア/ギリシャ] 7月26日、サウジアラビアのムハンマド皇太子は政府及びビジネス関係者と共にギリシャを訪問。再生可能エネルギーや海底データケーブル敷設プロジェクトなどに関する合意に署名し、ミツォタキス首相と投資や安全保障などの問題に関して協議を行った。2018年にイスタンブールのサウジ総領事館で発生したサウジ人ジャーナリスト殺害事件以降、同皇太子にとって初の欧州訪問。同氏はこの後フランスを訪問する予定。ミツォタキス首相とマクロン仏大統領は、昨年サウジを訪問している。

[米国] 7月26日、バイデン政権は日米経済政策協議委員会(経済2+2)をワシントンにおいて29日に開催する旨、発表。米国からは国務長官、商務長官が出席し、日本側からは外務大臣、経済産業大臣が参加する。ルールに則った経済秩序強化に向けた日米協力、包摂的で持続可能な経済成長を目指すための取り組みなどについて両国閣僚が協議を行う予定。今年1月に日米首脳は経済2+2の立ち上げに合意しており、5月には次官級協議が開催されている。

[米国] 7月25日、ミャンマー軍政は、反テロ活動関連法に違反してテロ活動を支援していたなどの罪で軍事法廷で死刑判決を受けていた民主派活動家4人に対する死刑を執行したことを、国営メディア経由で発表した。ミャンマー軍政による死刑執行を受けてブリンケン米国務長官は声明を発表し、最も強い言葉で死刑執行を非難するとともに、昨年2月のクーデター以降、ミャンマー軍政は2100人以上のミャンマー国民を殺害し、数千人が拘束されていると非難した。

[ロシア/アフリカ] エジプトを皮切りにアフリカ歴訪を開始したロシアのラブロフ外相は7月25日、エジプトの次の訪問国であるコンゴ共和国でサスヌゲソ大統領と面会した。その後、ウガンダ訪問を経てエチオピアに移動する予定。ロシアとアフリカの関係強化を目指し、対露非難に慎重なアフリカ諸国の囲い込みを図る狙いである。

[中国] 中国指数研究院は、不動産企業の債務が、7月:1,214.8億元、8月:1,011.7億元規模で返済のピークを迎えるとしていたが、懸念されていた通り、債務不履行に陥る企業が出てきている。7月26日付の「第一財経」は、今月19~26日にドル建て債務のデフォルトを宣言した企業について、26日:宝龍地産、22日:俊発地産、景瑞控股、19日:鑫苑置業の4社をあげた。国内の社債などについては、債権者との協議を経て償還期限を延期しデフォルトを回避する動きが多く取られており、あまり表面化していない模様だが、7月11日に恒大集団がデフォルトを起こした。

[フィリピン] 7月25日、マルコス大統領が就任後初となる施政方針演説を行った。経済政策については、ドゥテルテ前政権のインフラ整備計画「ビルド・ビルド・ビルド」を継続し、インフラ整備を拡大していく姿勢を強調した。財政健全化の重要性を強調しつつ、ドゥテルテ前政権からの税制改革を推進する方針を表明した。同時に、財政出動に積極的な姿勢も示した。エネルギーについては、原発の建設を再検討する時期がきていると述べた。外交については、中国を名指しはしなかったものの、南シナ海の問題を念頭に、自国の領有権は「1スクエアインチ」も譲らないとして、牽制する姿勢を示した。同時に、対話を通じて問題を解決する方針を強調した。

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