デイリー・アップデート

2022年7月22日 (金)

[アジア太平洋] 7月21日、アジア開発銀行(ADB)は最新版の見通しを発表。新興アジア地域の2022年の実質GDP成長率の見通しを+4.6%とし従来の+5.2%から下方修正した。中国で新型コロナウイルス感染拡大を抑制するためロックダウンが実施されたことに加え、先進国での金融引き締めの加速、ウクライナ情勢による影響を織り込んだ。2022年のインフレ見通しは+4.2%とし+3.7%から引き上げた。

[南アフリカ] 7月21日、南ア準備銀行は政策金利を75bp引き上げ5.50%とした。同銀行総裁は、「成長維持よりも物価安定を重視する」などタカ派姿勢を強めているが、インフレは7月でピークを付けた可能性があり、2022年後半については、金利は小幅の引き上げになるとみられている。

[ウクライナ] 7月21日、中央銀行は、ロシアの侵攻を受けた戦時対応として、自国通貨フリブナの対ドル為替レートを25%切り下げ、1ドル=36.5フリブナとしたと発表した。国内経済の変化と世界的なドル高を考慮したという。

[中国/インドネシア] 7月21日の定例記者会見で、中国外交部の汪文斌報道官は、7月25日から2日間、インドネシアのジョコ大統領が訪中し、習近平国家主席と会談し、李克強総理と会見すると明らかにした。ジョコ大統領は、北京冬季五輪後初めて中国を訪問する外国首脳になる。中国側は、今年G20の議長国を務めるインドネシアに対して、G20でのアジェンダ設定について、またウクライナ問題でロシアを排除する動きに反対するよう働きかけるとみられる。

[チュニジア] 7月25日、新憲法案に関する是非を問う国民投票が実施される。サイード大統領は、先月大統領権限を大幅に拡大する新憲法案を公表したが、同案のドラフトを作成した起草委員会のベライード委員長は「自分が提出した草案とは全く異なる内容」として、新憲法案を厳しく批判した。チュニジアでは、「アラブの春」後の2014年に現行憲法が制定され権力の分散が確立されたが、今回の新憲法案は再び権力を大統領に集中させるもので、議会最大政党のエンナハダは投票のボイコットを呼びかけている。

[米国] コロラド州アスペンで開催されている「アスペン安全保障フォーラム」のイベントに7月20日に招かれたウィリアム・バーンズ米中央情報局(CIA)長官は、「ウクライナ戦争開戦前に、『米国主導の同盟は分裂し、ウクライナ政府軍も敗北させられる』と考えたプーチン大統領の仮説は誤りであり、彼は今も同様の間違いを犯している」と発言した。プーチン氏の健康状態については諜報情報に基づく判断ではないとしながらも、バーンズ長官は「非常に健康」との認識を示した。

[ユーロ圏] 7月21日、欧州中央銀行(ECB)は、11年ぶりとなる利上げを実施した。中銀預金金利は▲0.5%からゼロ%に引き上げられた。利上げ幅は事前の予告の0.25%ptを上回った。また、ユーロ圏の国債市場における動揺や域内金利差の過度な拡大を抑えるために、Transmission Protection Instrument(TPI)が導入された。買い入れ対象は財政ルールの遵守など条件があるものの、政策伝達上のリスクの深刻さを反映し、買い入れ額については事前に制約を課さないと説明されている。

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