デイリー・アップデート

2022年7月26日 (火)

[ブラジル] 7月24日にリオデジャネイロで開催された与党・自由党(PL)の党大会でボルソナロ大統領は大統領候補指名を受諾して再選キャンペーンを本格的に始動した。各種最新世論調査結果では野党・労働者党(PT)が擁立するルーラ元大統領に10ポイントから15ポイントの二桁の差をつけられているが、支持基盤である保守派勢力の支持を固めるとともに、低所得者層向けの現金給付プログラム「アウシリオ・ブラジル」を8月から50%増額給付するなど支持を広げる方針である。

[韓国] 7月26日、韓国銀行(中央銀行)は2022年第2四半期(4~6月期)の実質GDP成長率(速報値)が前期比+0.7%だったと発表した。、8四半期連続のプラス。民間消費(同+3.0%)がけん引した。一方、中国でのロックダウンの影響を受け輸出(同▲3.1%)は落ち込んだ。今後は、高インフレ(6月前年同月比6% 、1998年以降で最も高水準を記録)が続いているため消費が鈍化する可能性がある、また、財政赤字を縮小させるため財政支出が2021年より減少するとみられる。

[ドイツ] Ifo経済研究所の7月の業況指数(2015年=100)は88.6となり、6月の92.2から低下した。低下は2か月連続。足もとの状況を表す現況指数は97.7となり、6月の99.4から低下した。先行きの見通しを表す期待指数も80.3となり、6月の85.5から低下した。エネルギー価格の上昇や今冬のガス不足などが懸念されているため、足元の状況、先行きの見方ともに悪化した。Ifo経済研究所は、ドイツ経済が景気後退の瀬戸際にあると述べている。

[アルゼンチン] グズマン前経済大臣辞任以降、ペソの闇レートの減価が止まらず、公式レートとのギャップは150%を超えた。そんな中、政府は、輸入業者と旅行者に対する通貨規則の緩和などの通貨に焦点を当てた措置を発表。輸入品の不足を避け、外貨準備を増大させる狙いがあるが、市場では効果は薄いとみられている。

[中国] 不動産業界の低迷と、ゼロコロナ政策による経済圧力や金融リスクが増す中、河北省と海南省と遼寧省は中央に対し債務枠の引き上げ要請を行ったが、財政部は現在の割当額で十分であり、それぞれの経済条件と開発ニーズを考慮しているとして拒否した。財政部は、一般的な債務限度額は赤字率で決まるとし、地域ごとの限度額は「2022年は総じて減少傾向にある」と述べた。地方政府が債務額の増額を要求するのは珍しいことではないが、多くの地域で財政への圧力が高まっており、地方政府の返済能力を疑問視する声が上がっている。

[ミャンマー] 7月25日、国営メディアは、国軍が設置した軍事法廷において「テロ行為」を理由に死刑判決を言い渡されていたNLDのピョーゼヤートー元議員、著名民主活動家のチョーミンユ氏ら政治犯4人の死刑が執行されたと発表した。ミャンマーで死刑が執行されるのは1990年以来。ASEAN議長国であるカンボジアのフン・セン首相は死刑執行を行わないよう求めていた。林外相は「ミャンマーの更なる孤立を招くものであり、深刻に憂慮する」との談話を発表した。

[チュニジア] 7月25日、サイード大統領が公表した新憲法案の是非を問う国民投票が実施された。大統領権限を大幅に強化する同案に対しては、主要政党や司法からの反発の声も強く、幅広くボイコットが呼び掛けられていた。選挙委員会の発表によると、投票率は27.5%と低かった。しかし、出口調査によると92.3%が賛成票を投じたと見られており、同案は可決される見通し。ボイコットを呼びかけた政党などは、投票率の低さを理由に「正当性がない」として批判を展開するとみられる。

[中国] 広汽(広州汽車)集団とステランティス・グループは、広汽フィアット・クライスラー・オートモービルズ有限公司(以下JV)の合弁解消に向けた交渉を行っている旨、7月25日付の財新網が伝えた。JVはJeepブランド車の国産化・低価格化で2017年には22万台余と販売のピークを迎えたが、その後SUV市場の競争激化とJeepモデルの品質問題、米中貿易摩擦などの影響で販売台数が激減、2021年2.1万台、2022年1~6月期わずか822台と低迷していた。JVは湖南省長沙市に年産30万台規模の完成車とエンジンの製造拠点を保有、現在BYDや零?汽車が工場買収の協議中という。

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