デイリー・アップデート

2018年11月5日 (月)

[イラン] 11月5日、米国による対イラン制裁第2弾が発動される。今回の制裁で影響を受けるのは、イランの原油輸出、金融システム、海運セクターなどである。ただ、国際原油市場に対する影響に鑑み、トランプ政権は日、韓、印、イラクなどを含むとみられる8か国のイラン原油輸入国に対して、一時的に原油輸入をゼロにしなくても輸入量を減らすことでの対応を求めた。また、新たに700以上の企業・個人をSDNリストに追加掲載することも発表している。

[米国] 10月の米雇用統計によると、平均時給は前年同月比+3.1%と、上昇率が3%台に乗った。これは2009年4月(同+3.4%)以来の伸びとなった。また、非農業部門雇用者数は前月から25万人増加し、失業率は3.7%となった。これらを踏まえると、雇用・所得環境は堅調に回復しているといえる。先日の物価動向を合わせると、12月利上げの公算が高い。ただし、景気の先行き不安が高まっていることから、今後のFRBの金融政策の舵取りはますます難しくなると予想される。

[ニューカレドニア] 1853年にフランスの植民地となった同地では、1980年代半ばに独立を求める先住民カナク族と反独立派の間で衝突が発生、1998年に「20年後に独立の是非を問う住民投票実施」が協定で決められた。11月4日、この住民投票が実施・即日開票され、反対多数で独立は否決。ただ協定の定めで2022年までにあと2回の住民投票を実施可能。ニューカレドニアは世界有数のニッケル産地で、今年は地域住民による鉱業活動拡大に対する抗議運動により仏Erametの複数の鉱山で計画外減産が発生している。

[フランス] 仏領ニューカレドニアの独立の是非を問う住民投票で、56.4%が独立に反対。ただし、2022年までにあと2回の住民投票実施が可能。ニューカレドニアはフランスの軍事拠点であるとともに、豊富なニッケル資源を巡って中国資本が進出する懸念もある。

[パキスタン] 11月2日~5日にカーン首相が初訪中。2日に習近平国家主席、3日に李克強首相と会談した。「一帯一路」への協力強化の継続を確認し、財政危機に対応するための資金支援についても話し合われたが、具体的な支援額は発表されていない模様。

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