デイリー・アップデート

2018年11月19日 (月)

[マレーシア] 2018年7~9月期の実質GDP成長率は前年同期比+4.4%で前期(+4.5%)からわずかに減速。純輸出の後退が響いた。民間消費はタックス・ホリデーと燃料補助金の増加により好調。昨年は6%近い高成長だったが、外需の悪化により今年は減速が続いている。

[マレーシア] 11月16日、中央銀行は2018年7~9月期の実質GDP成長率を発表。前年同期比で4.4%増と、4~6月期の4.5%増から減速、2017年第4四半期以降4期連続で鈍化している。支出別では、家計支出が9%、民間支出が6.9%増加したが外需が7.5%減少した。産業別では、サービス業と製造業が堅調だったものの、鉱業・農業分野で、特に天然ガスやパーム油の生産減少がGDPを0.5‐0.7%ポイント押し下げた。

[日本] 10月の貿易統計によると、輸出は前年同月比8.2%増の7兆2434億円、輸入は同19.9%増の7兆6927億円となり、4493億円の貿易赤字となった。輸出では自動車や原動機、半導体等電子部品がけん引役だった一方、輸入では原粗油や天然ガス、衣類・同付属品などが増加した。9月の自然災害の影響からの反動増が現れたとみられる。今後の焦点は、世界経済の減速懸念が高まりつつある中で、輸出入の増加が続くか否かであり、日本経済の成長にとってますます重要になっている。

[石炭] 中国政府が年内の石炭輸入を制限するとの情報が出回っている。今年1-10月の輸入量が2億7090万トンと前年比11%増加し、昨年実績2億7090万トンに迫っていることから、通期輸入量を前年並みに留めるよう、改めて通達したものとみられる。政府からの公式発表では確認されていない。ただ発電所の在庫量は30日分以上、9000万トン超と記録的高水準で、暖冬と経済活動鈍化で需要も強くないことから、短期的な価格上昇圧力にはなりにくいとの見方が多い。

[メキシコ] 中銀は0.25%ポイントの利上げを実施し、政策金利は8%となった。主な要因は中銀目標(3%±1%)を上回るインフレ率(10月末時点で4.6%)、及び、価格不安定性リスクの高まり。インフレ率の高まりはガソリン及び食品の価格上昇による。価格不安定性リスクはガソリン価格の継続的上昇による波及効果(例えば交通費の上昇)、通貨安の国内価格への影響(過去30日で8%安)、賃金上昇率の加速(次期左派大統領による政策)。次期大統領と中銀との間で今後緊張感が高まり、両者が対立関係になる懸念がある。

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