デイリー・アップデート

2018年11月15日 (木)

[英国] 11月14日に行われた緊急閣議で、欧州委員会と実務的な合意に至った離脱条件の協定案が承認された。今月25日に特別EUサミットが開催される見通しだが、英国議会では同案に反対する議員が多く、下院通過は不透明である。

[米国・中国] 米国の米中経済・安全審査委員会(略称USCC)は、14日、2018年度報告を公表し、米国議会に対して10項目の提案を示した。提案には、議会から司法省に米国民を脅迫する中国共産党関連組織の起訴を検討させること、中国共産党の米国における宣伝活動やその影響に関する年次報告を作成させること、米中の技術協力事業に関する詳細な調査・評価を行うことなど、米中の対立軸を際立たせる内容になっている。

[イスラエル] ここ数日間のガザにおけるハマスとの衝突に対する停戦合意がなされたが、これに反発する意思表明としてリーバーマン国防相が辞任。さらに、リーバーマン氏が党首を務める「我が家イスラエル」は現在ネタニヤフ首相の連立政権に入っているが、この連立の解消も発表した。これにより連立政権は弱体化するため、同首相が解散総選挙に挑む可能性が高まっている。

[タイ] 11月14日、中央銀行金融政策委員会(MPC)は、政策金利(翌日物レポ金利)を1.50%で据え置いた。今回は委員7人中3人が0.25%引き上げを提案し、前回の2人から増加した。12月の次回会合で7年ぶりの利上げの可能性が高くなっている。MPCは、経済は外需の伸びは緩やかになりつつも堅調に拡大しているとし、インフレ率はコアインフレ率を含め全体的に上昇していると説明した。

[ドイツ] 2018年第3四半期のドイツの経済成長率は前期比▲0.2%と、2015年第1四半期以来のマイナス成長となった。主な原因は新しい排出ガス・燃費試験法(WLTP)導入を巡って、自動車生産が一時的に停滞したため。ユーロ安にもかかわらず輸出が伸び悩むなど、新興国経済など外部環境も必ずしも良好ではないため、第4四半期の急加速などは想定しにくくなっている。

[銀] 銀価格が一時1オンス14ドル割れと2009年以来の安値を付ける中、カナダPan American Silverが同業の米Tahoe Resources買収を発表。経営統合により年間生産・銀資産保有量で世界首位に台頭する。ただTahoeは、2014年に商業生産を開始した世界有数規模のグアテマラEscobal鉱山が原住民団体との論争により2017年から閉鎖中であるほか、ペルー・カナダでも問題に直面し、株価は2014年高値比で90%下落。買収価格は割安だが、Pan Americanが米州での経験を生かし事態打開できるかに注目。

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