デイリー・アップデート

2021年8月4日 (水)

[米国] 商務省によると、6月の製造業受注は前月比+1.5%となり、2か月連続で増加した。市場予想(同+1.0%)を上回り、製造業の底堅さが確認された。6月の非国防資本財(除く航空機)受注は前月比+0.7%となり、速報値の同+0.5%から上方修正された。4か月連続のプラスであり、設備投資の増加も期待されている。経済活動の再開などもあって、今後の製造業は引き続き底堅く推移すると期待される。

[米国] 上院では、インフラ整備法案をめぐる審議が最終段階に入った。8月1日に法案が公表され、これまでは一部議員とホワイトハウスの間で協議が行われてきたが、今週は上院全体で修正等の試みがなされている。民主党からは歳出規模拡大を求める声が上がり、共和党は財源の見通しの甘さなどを指摘している。この超党派案は10年間で1.2兆ドル規模のインフラ投資を行う内容で、新型コロナウイルス対策予算や失業保険の余剰金を活用して財源を確保する内容となっており、今週中の採決が見込まれている。

[米国] バイデン大統領は7月3日午後ホワイトハウスで新型コロナウイルスとの闘いについて演説し、デルタ株による感染拡大に対する最大の防御策はワクチン接種であるとし、感染や感染による入院・死亡の可能性がより低下するとして、未接種の米国民に対してワクチン接種を要請した。共和党知事の一部がマスク着用の義務化を禁じる措置等を講じていることに対しても批判を展開した。

[イタリア] 7月3日、下院において、司法制度改革案に関する信任投票が圧倒的多数で可決された。この信任投票が否決された場合、ドラギ首相が辞任して政情不安が高まる可能性も指摘されていた。また、司法制度改革はイタリア政府が欧州委員会に提出した新型コロナウイルス復興計画にも条件として盛り込まれており、改革が進まなければ、復興基金分配の要件を満たさなくなることから、復興の遅れの可能性が懸念されていた。

[中国] 南京空港でのクラスターに端を発するデルタ株感染が全土に広がり、すでに95か所の中・高リスク地域が指定された。政府は夏休み中の旅行や帰省を控えるよう呼び掛けている。北京市は、急遽渡航制限を実施し、北京への航空便・列車・バスなどの乗り入れを遮断、北京に戻る人は、ウイルス陰性証明を提示する必要がある。武漢市では2020年5月以降、感染が確認されていなかったが、今回デルタ株の感染者が見つかり、当局は全市民のPCR検査を実施すると発表した。

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