デイリー・アップデート

2021年8月23日 (月)

[米国] 8月23日、下院は夏季休会を早めに切り上げ、予算決議や投票権法案に関する審議を開始する。気候変動対策に加え、育児支援・教育充実などを含む3.5兆ドル規模の予算決議案と、道路・橋梁・ブロードバンド網整備などを含む1.2兆ドルのインフラ投資法案の優先順位を巡って、民主党内で意見が割れている。3名以上の造反があれば、民主党念願の社会政策パッケージが実現しないリスクがあり、指導部の対応が注目されている。

[ミャンマー] 日本財務省貿易統計によると、6月のミャンマーの対日輸出額は前年同月比▲7.2%の67億5,197万円となり前年同月比で4割近く増加した5月から減少に転じた。外貨獲得の柱である衣類の対日輸出額が同▲6.4%の45億584万円となった。クーデター後の政情不安に加え、6月以降は新型コロナウイルスの感染が急拡大している影響を受けて、生産・物流が滞ったようだ。日本側においても、コロナ禍で衣類需要が再び冷え込んでいることが影響したとみられる。

[ウクライナ] 8月23~24日、ゼレンスキー大統領は首都キエフで、ロシアによって不法占拠されている南部クリミア半島の奪還を訴える初の国際会議「クリミア・プラットフォーム」を開く。米国をはじめ30か国以上が参加する予定で、ゼレンスキー政権は国際社会に対してクリミア半島の奪還を目指す姿勢を強く打ち出すものとみられる。

[スコットランド] 8月20日、与党スコットランド国民党(SNP)とスコットランド緑の党が、2党間の協力協定で合意したことを発表。両党の執行委員会で同合意が承認された場合、緑の党が中央・地方議会含め英国で初の政権入りとなる見込み。この協力協定をもってスコットランド独立を訴える議員がスコットランド議会で多数派となることから、今後中央政府との軋轢(あつれき)が予想される。

[香港/中国] 先週開催された全人代常務委員会で、「反外国制裁法」を香港・マカオに適用するための措置が取られると見られていたが、常務委唯一の香港選出委員・譚耀宗氏は8月20日、「当面、(この問題について)投票は行わず、関連する問題を引き続き検討する」と述べたため、意外性をもって受け止められている。譚氏は会議開催前には、香港に同制裁法が適用される見込みと話していた。北京中央政府が方針を変更した理由は明らかにされていない。

[マレーシア] 8月21日、イスマイルサブリ・ヤーコブ前副首相兼国防相(UMNO幹部)が首相に就任した。16日にムヒディン首相(当時)が辞任したが(そのまま暫定首相に就任)、20日にアブドラ国王が「イスマイルサブリ氏が連邦下院の過半数となる114人の議員の支持を得たことを確認した」として同氏を首相に任命した。UMNOやPPBMを中心とする連立政権が発足することになるが、下院の最小過半数(112)をわずかに上回る議員の支持しか得ておらず、不安定な政権運営となる見通し。

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