デイリー・アップデート

2018年10月18日 (木)

[韓国] 10月17日、韓国金融委は、韓国の自動車・同部品メーカーに対する貸し剥がしを自制するよう銀行に要請した。韓国自動車業界は、米国では昨年の過剰生産と販売不振で在庫過多、中国ではTHAAD報復による販売不振の継続で中国工場の製品の東南アジア向け輸出を余儀なくされるなど対応に苦慮。また、ウォン高と新興国での通貨安で、売れても収益増に貢献できない状態。中央日報は、「崖っぷち」と表現した。

[豪州] 10月16日、モリソン首相はエルサレムを首都に認定することを検討すると表明。20日に実施される下院補選でユダヤ人票を獲得することが狙いとの見方がある。同補選で敗北すると与党保守党は単独過半数の議席を失うことになる。米国との関係に配慮しているとの見方もあるが、イスラム諸国からの反発が予想され、インドネシアとの経済連携協定交渉にも影響が及ぶ可能性がある。

[日/米] 10月16日、米通商代表部は連邦議会に対して、日本、EU、英国との通商交渉の開始を通告した。これは2015年貿易促進権限(TPA)法の規定に基づく措置。いずれも「交渉目的は同法の記載に従う」としており、主要交渉目的は物品・サービスの自由化のみならず、為替操作の排除なども含まれている。

[日本] 貿易統計によると、9月の輸出額は前年同月比▲1.2%と22か月ぶりに前年割れとなった。引き続き半導体等製造装置の輸出が伸びた一方で、自動車や通信機などが減速した。欧州向け自動車輸出や、中国向け通信機・半導体等電子部品輸出が減少した影響が大きかった。また、台風21号によって関西国際空港が一時閉鎖となった影響も大きかった。

[ポーランド] 10月17日、ポーランドの国営ガス・石油大手PGNiGは、米国のベンチャー・グローバルLNGと20年間にわたる米国産液化天然ガス(LNG)の売買契約を締結した。2022年と2023年に完成見通しの米ルイジアナ州カルカシューパス(Calcasieu Pass)と同州プラークミンズ(Plaquemines)で建設中のLNG輸出施設から年間200万トンのLNGを本船渡し(FOB)ベースで購入する。ポーランドは現在、天然ガスの約6割を露ガスプロムから輸入しており、政府はガスの調達先の多様化を進めている。

[EU/英国] Brexit交渉が頓挫。とても良い進展があったとするメイ首相と、何の進展もないとするEU側とで見解に溝。11月開催が見込まれていた特別Brexitサミットも、アイルランド島の国境問題解決案に関する合意に至っていないため、開催は絶望的。今年中の合意を目指すが、「合意のない離脱」が現実的になって来た。

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