デイリー・アップデート

2020年4月2日 (木)

[米国] 米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.1と、前月の50.1から低下した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を十分盛り込んでいない上、供給不足などから上昇した入荷遅延指数がPMIを押し上げているなど、見た目ほど内容はよくない。むしろ、新規受注指数や雇用指数が2009年以来の低水準となったことに象徴されるように、米経済の状況は悪化している。

[韓国] 3月31日、ユ・ウンヘ(兪銀恵)社会副首相兼教育部長官は、4月9日からの中・高3年生を皮切りに、4月16日から中・高1~2年生と小学4~6年生、同20日から小学1~3年生を対象に、オンライン授業による新学期を開始すると表明。対象は、韓国全土の学校。教育当局は、登校再開の可能性も残すとしているものの、学校・教師は4月1日から遠隔授業の準備入り。家庭にPCがない、小学1年の子供が一人でPCを使えるか、有害コンテンツ対策など種々のハードルもあるが、遠隔授業が教師の新たな挑戦の機会になると期待する声もある。

[イラク] 米軍は、イラクのアイン・アル・アサド米軍駐留基地にパトリオットミサイル迎撃システムの配備を開始した。同基地は、1月に米軍がイランのソレイマーニー司令官を殺害した後に、イランによる報復で激しいミサイル攻撃を受けた基地。同攻撃以降、米軍はイラク国内の複数の駐留基地から撤退し、アイン・アル・アサドなどのより大きな基地に再配備されている。米軍関係者によると、あと3基のパトリオットミサイルが北部エルビルなどの米軍駐留基地に配備される予定。

[米国] 米国、カナダ、メキシコは、USMCAにおける自動車原産地規則に関わる細則に合意することができないまま、4月を迎えた。すでに3か国の議会はUSMCA承認を終えているものの、協定発効に必要な全ての準備作業を完了していない。従って、当初、USTRが想定していた6月1日の協定発効は延期となる見込み。米国の自動車製造業や、通商政策を所掌する上院議員からは、拙速な発効はむしろ無益との意見も表明されている。USTRは見解を明らかにしていないが、早くてもUSMCA発効は7月1日以降となる。

[中国] 4月1日、経済メディア「財新」は、3月の製造業購買担当者指数(PMI)が50.1だったと発表した。2004年4月の調査開始以来で最低を記録した2月の40.3から9.8ポイントも急速に改善し、景況感の節目となる50をわずかに上回った。中国国家統計局と中国物流購買連合会が3月31日に発表した3月の製造業PMIは52.0であり2月から16.3ポイント改善しており、どちらの統計数値も足並みが揃った。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける前の水準まで回復しているわけではない。

[ポーランド] 3月28日、ポーランド下院は、5月10日に予定されている大統領選について、年齢が60歳以上または選挙当日に強制隔離下もしくは自主隔離中の有権者に郵便投票を認める法案を可決した。2期目を狙う与党PiS所属の現職ドゥダ大統領は新型コロナウイルス感染拡大にもかかわらず、大統領選を予定通りに実施しようとしている。野党勢力は5月の選挙を延期するべきと、政府を強く批判している。

[EU] ハンガリー議会がオルバン首相の非常事態権限を無期限に延長する措置を承認したことに対し、フォン・デア・ライエン委員長やEU13か国政府が懸念を表明。新型コロナウイルス感染拡大という「前例のない状況」であることから緊急措置を行うことは支持しているが、適用は厳密に不可欠とされるものに限定するべきであり、定期的な精査を受けるべきとの見解。

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