デイリー・アップデート

2020年4月27日 (月)

[英国/EU] 4月24日に終了したEUと英国の第2回将来協定交渉は特段の進展もなく終了。会合終了後の記者会見で、EU側のバルニエ主席交渉官が会合は「期待はずれ」であり、英国政府は「真剣さが足りない」と苛立ちのコメント。特に、交渉の重要項目といわれる公正な競争環境や漁業権で進展がない点が懸念されている。

[中国] ◇国家市場監督管理総局の甘霖副局長は、4月26日の記者会見で、全国の市場監督部門が4月24日までに医療用品関連業界の1,590万社を検査し、不良品のマスク8,905万個、同医療用防護用品42万点、同消毒用品761万元相当を発見し、押収したと公表。 ◇不動産開発・投資などの億達中国ホールディングスは、4月19日満期の5,285.4万米ドルのミディアム・ターム・ノートが償還出来ず、デフォルトを起こした旨を4月23日に公告した。翌24日、償還を完了したが、2019年末の手元現金10.3億元に対し、流動負債が27.2倍もあり、今後の経営も相当苦しいと見られる。

[中国、欧州] ◇4月23日、中国共産党中央規律委員会は今年の1月から3月までの3か月間で「8項規定」(習近平総書記が2017年に打ち出した規定)の精神に違反した問題で取り調べを受け処罰された件数が10,411件、人数は14,968人と発表した。そのうち、汚職などではなく「形式主義や官僚主義」に陥ったとして処罰されたのが7,522件、10,912人と全体の7割以上を占め、26日にはそれらの具体例8件が発表された。民衆に対してアピールすると同時に、党内の統制強化を図る意図が伺われる。◇EUが作成したレポートで、新型コロナウイルスの流行拡大に関する中国の情報操作について記述する際、中国から激しい抗議を受けて表現を緩和したとメディアが報じ、EU内で中国の動きとEUの自己検閲に対する批判が起こっている。

[サウジアラビア] 最高裁は人権尊重の観点から、今後はムチ打ち刑を廃止することを発表した。また、国王令により、未成年者の犯罪に対する死刑判決も今後は行わないことを発表した。サウジでは反体制派やジャーナリストに対する厳しい弾圧や死刑執行数の多さ(2019年は中国、イランに次いで世界で3番目)が国際的に非難を受けており、今年G20議長国でもあるサウジによる自国イメージ改善のための施策とみられる。

[シンガポール] 4月24日、シンガポール経済開発庁(EDB)は、2020年3月の製造業生産高指数(2019年=100、速報値)が、前年同月比+16.5%の112.8だったと発表。2018年1月以来2年2か月ぶりの高水準値を記録。製薬が2.3倍に上昇し、2011年12月以来8年3か月ぶりの高い伸びとなり全体を押し上げた。前月比(季節調整済み)では+21.7%と、1983年以降で最低を記録した2月(同▲22.1%)から2桁の回復となった。

[ロシア] 4月24日、中央銀行は、政策金利を6.0%から5.5%に引き下げることを決定した。新型コロナウイルス感染拡大と原油価格の急落を受け、今年は最大▲6%のマイナス成長に陥る恐れがあると警告。2020年の平均油価は1バレル27ドルにとどまり、2021年以降に回復すると想定。経済成長率は、2021年に+2.8~+4.8%、2022年に+1.5~+3.5%に戻ると予測した。

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