デイリー・アップデート

2020年4月8日 (水)

[インドネシア] 4月7日、中央政府は、ジャカルタ特別州のアニス知事が求めていた同州域内での大規模な行動制限措置発動の要請を承認した。学校、就業場所、宗教活動、公共の場所での活動、社会文化活動、交通手段等の制限が可能になる。アニス知事は8日にも行動制限の具体策を発表し、10日から実施に移したい意向を表明。ジャカルタではすでに「災害緊急対応」が発令され、学校の閉鎖等の措置が実施されているが、大部分が任意の措置のため、同知事はより厳しい対応を求めていた。ジョコ大統領はソーシャル・ディスタンシングの徹底を掲げ、強制措置には消極的な立場だが、地方自治体はそれぞれの判断で活動制限に踏み切っている。

[タイ] 4月7日、タイ商務省は、2020年3月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比0.54%下落したと発表。2017年6月以来、2年9カ月ぶりにマイナスに転じた。COVID19感染拡大の影響による消費の低迷、油価下落によるエネルギー部門の価格低下(▲11.14%)が響いた。生鮮食品を除くコアCPIは0.54%上昇しており、非生鮮食品・飲料の物価は上昇している。商務省貿易政策・戦略事務局(TPSO)によると、食品・飲料の物価は同+1.58%と上昇、特に米・粉製品が+7.68%と高く、調味料も+2.76%、卵・乳製品も+2.53%とそれぞれ上昇した。

[日本] 4月7日、政府は緊急経済対策を閣議決定した。具体的には、感染拡大の収束のメドがつくまでの緊急支援フェーズと、その後のV字回復フェーズをカバーしており、①感染拡大防止策と医療体制の整備、②雇用維持と事業の継続、③次の段階の経済活動の回復、④強靭な経済構造の構築、⑤今後の備え、の5つの柱からなる。事業規模は108.2兆円、GDP比で約20%。今回追加された財政支出も29.2兆円と多額。財源として国債が16.8兆円発行される見通し。

[ロシア] 4月7日、米フォーブス誌は2020年版の「世界長者番付」を発表した。首位には3年連続で米アマゾンの創業者ベゾス氏。ロシア人の富豪は99人で、そのうち首位にはニッケルやパラジウム生産大手、ノリリスク・ニッケルのポターニン氏。一方、今回新しくランキングに登場したのは、モバイルゲーム制作会社 Playrixを設立したロシア人のバッカーマン兄弟。人気ゲーム「ガーデンスケイプ」等を開発し、年間売上高は17億ドルに上るという。

[イタリア] 医療崩壊が深刻なイタリアに対し、各国から次々と援助隊が派遣されている。EU非加盟国のノルウェーが、ロンバルディア州の要請を受け、医療スタッフとロジスティックスの専門家、総勢25名を同地に派遣することを発表。期間は1か月間で、エボラ出血熱の発生時にアフリカで活動した感染症の専門家で編成されている。また、中国からはマスク(200万枚)や検査キット(5万)など医療物資がEUに届けられ、イタリアに供給されている。

[中国] 4月7日の国務院常務会議では、世界を襲う新型コロナウイルス禍が国際貿易にも衝撃を与えており、中国は貿易、外資導入の安定を図り、経済に対する影響を軽減すべきだとして、主に以下の決定を行った。1.「クロスボーダー・eコマース総合試験区」を46か所増設(累計:105都市)。 2.加工貿易企業による国内販売を税制面で支援。 3.第127回広州交易会を6月中下旬に、ネット上で開催。 4.一部の終了済み税制優遇策を2023年末まで延長し、零細企業、個人事業主、農家などに対する金融包摂を強化。

[中国] 武漢の封鎖は解除されたが、武漢市政府や医師らが警戒を解くべきでないと警告。武漢大学中南病院の楊炯教授は、4月8日以降に人々の移動が活発化することを懸念。統計データからは武漢人口の0.15-0.3%が無症状感染者と推定されており、慎重な行動が求められると警告。浙江省は武漢からの流入者全てにPCR検査を行い14日間の隔離を実施すると決定。復旦大学附属華南病院の劉文宏医師はコロナ流行の第二波を警戒し、3-4か月でいったん収まったとしても、再び流行が発生し年内に収束しなくなる可能性に言及した。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

17人が「いいね!」と言っています。