デイリー・アップデート

2020年4月16日 (木)

[イスラエル] 「青と白」のガンツ党首による組閣交渉期限は4月15日に到来したが、ガンツ氏はネタニヤフ暫定首相率いるリクード党との緊急事態内閣の成立を目指して交渉を続けている。今後プロセスは議会に移り、21日以内に交渉が成立すれば、緊急事態内閣の組閣となる。議会のプロセスを経ても過半数(61議席)を得る首相候補が出なければ、8月に4度目の総選挙(3回目のやり直し)が行われる見通し。最新世論調査では、ネタニヤフ氏の新型コロナ対策に対する国民の支持は高い。

[ASEAN] 2020年3月のASEAN主要6カ国(マレーシア、フィリピン、シンガポール、インドネシア、タイ、ベトナム)からの訪日観光客は、前年同月比86%減の5万2,300人と大幅に減少し、2013年1月以来約7年ぶりの低水準にとどまった。新型コロナウイルスの感染拡大を阻止すべく各国が海外渡航制限や外出禁止措置を講じ、日本政府もまた入国規制を強化したことが影響した。中でもタイが97%減の4,800人と最大の下げ幅になった。

[米国] 米国の3月の小売売上高は前月比(以下同様)▲8.7%と、大幅に減速した。これは、統計開始の1992年以降で最大のマイナス幅だった。内訳をみると、衣料品(▲50.5%)や飲食店(▲26.5%)が減少した一方で、食品・飲料(+25.6%)は増加した。また、3月の鉱工業生産指数は▲5.4%の減産となった。このマイナス幅は1946年1月(▲5.6%)以来の大きさ。このうち資本財(▲8.6%)などの下落幅が大きかった。新型コロナウイルス感染拡大の中、影響には濃淡もみられる。

[EU/英国] 4月15日の英国・欧州委員会の会合において、新型コロナウイルス感染拡大のため一時中断していた将来協定交渉を再開することで合意。4月20日の週、5月11日の週、6月1日の週に、それぞれ1週間程度のビデオ会合を実施することを決定した。6月末までの移行期間延長申請期限を前に、6月中に首脳レベル会議で上述3回の会合の進捗の最終確認を行う予定。

[韓国] 4月15日、第21代国会議員選挙(定数300)が行われ、即日開票の結果、与党の「共に民主党」とその比例代表政党の「共に市民党」が単独で180議席を確保し圧勝した。保守系最大野党の「未来統合党」とその比例代表政党の「未来韓国党」は103議席にとどまった。与党の勝因は、文政権の徹底した新型コロナウイルス対策が国民の支持を得たためと分析されている。与党側が単独で3/5の議席を占めるのは、1987年の民主化以来初で、残り任期約2年となった文政権の今後の国政運営には追い風になると見られている。投票率は暫定値で66.2%、28年振りの高水準であった。

[中国] ◇メコン川下流域開発に関連して当該地域の水資源について研究を行っていた米国の気候学者らがレポートを発表。それによると、2019年にメコン川下流地域が干ばつに襲われていた時も、上流での水位や貯水量は十分にあったことが判明。レポートは上流地域で中国が水資源を多く使いすぎているためとして非難。水資源の扱いが、今後、中国とメコン川流域国の間で重要な議題になると予想される。◇香港紙の蘋果日報(Apple Daily)は、消息筋の話として、中国全国人民代表大会(全人代)の開催日が暫定的に5月10日に決められたと報道した。

[ロシア] 4月15日、プーチン大統領は、経済危機対策として追加支援措置を発表した。国内における失業を食い止めるため、打撃を受けた中小企業の従業員1人当たりRUB12,130(約1万7,500円)を緊急支援金として支払うと発表。その他の措置についは、重要な産業について、ゼロに近い金利での政府支援ローン実施と航空業界をサポートするためのRUB230億(約330億円)の支援拠出を表明した。

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