デイリー・アップデート

2020年4月3日 (金)

[ロシア] 4月2日、プーチン大統領はテレビで演説し、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、4月5日までとしていた自宅待機を求める「非労働日」を4月30日まで延長すると発表した。また、地方自治体に外出禁止などの予防措置を4月5日までに決定するように指示した。ロシアの感染者数は4月2日までで3500人超に増加しており、異例の対策強化で封じ込めを図る。

[EU] 4月2日、2015年に欧州理事会で決定した難民受け入れを拒否したポーランド、ハンガリー、チェコ政府に対し、欧州司法裁判所(ECJ)がEU法に基づく義務に違反しているという判断を発表。フォン・デア・ライエン委員長は、「難民受け入れ問題に対するEU加盟国の義務に関する今後の前例になる」としてこの判決を歓迎。4月半ばに新たな移民協定を発表する見込み。

[台湾] 行政院(内閣)は、4月2日の臨時閣議で、新型コロナウイルス肺炎の感染予防と治療及び景気減速の影響を受けた企業・個人の救済のため、既に公表した分も含め、総額1兆500億台湾元(約3.7兆円、名目GDPの5.5%相当)規模の経済対策を講じることを決定。内訳は、省庁ごとに割り振られる特別予算:2,100億元、基金と応急支出:1,400億元、企業向け融資・債務保証:7,000億元。蘇首相は、企業を倒産させず、職員を失業させず、物流と金流(資金循環)を止めないことが奮闘目標だと強調、早期の議案通過を議会に期待。

[バングラデシュ] 出稼ぎ労働者による海外からの送金の減少が景気を下押ししそうだ。3月の同国向け送金額は前年同月比13.34%減の12.9億ドルと15カ月ぶりの低水準となり前月比でも12.84%減少した。2019年7月~2020年2月までの送金額は前年同期より20%増であった。送金額はGDPの12%を占め経済を支えている。1,000万人以上の出稼ぎ労働者のうち、COVID19の影響で66.6万人が1~3月に帰国。帰国していない労働者も工場などの閉鎖により現地で満足に働ける状況ではなく、さらにほとんどが中東地域勤務なので油価低下によりさらに厳しい状況にある。

[米国] 米労働省によると、3月28日までの週で、新規失業保険申請件数が665万件と、前週の331万件から倍増した。ここ2週間で約1,000万件と急増している。これによって、失業率が10%程度まで上昇する計算になる。新型コロナウイルス感染拡大によって経済活動が停滞しており、レイオフなど雇用調整が進んでいるため。

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