デイリー・アップデート

2020年4月23日 (木)

[韓国] 韓国政府は、4月22日の第5回非常経済会議で、約90兆ウォン規模のコロナ禍追加対策を決定。これで対策資金の累計は、約240兆ウォン(約21兆円)規模となった。今回の約90兆ウォンの内訳は、雇用安定特別対策:10(兆ウォン;以下同様)、基幹産業安定基金:40、金融安定追加支援:35、小規模事業者融資追加資金:4.4。例えば、基幹産業安定基金は、コロナ禍の影響を受ける航空、自動車、造船、海運、機械、電力、通信の7分野に対し、政府系銀行の融資や民間銀行との協調融資などを通じて金融支援を行う内容。

[中国/タイ] タイのデジタル経済社会省は、新型コロナウイルスの診断と防疫ネットワーク強化のため、ファーウェイと提携することを発表。CTスキャンの画像分析ではファーウェイのAI技術が医師の診断を大いに助けることが期待され、25秒で診断が可能だとしている。また5Gネットワークを通じた医療ネットワークの構築、情報の収集、ビッグデータを活用した分析が、遠隔医療や医療資源の効率的な配分に貢献するだろうとしている。

[ベトナム] 2020年第1四半期(1-3月)の輸出額は632億3,500万ドル(前年同期比+7.5%)だった。国別では米国向けが前年同期比+20%、中国向けが同+24%。品目別では「電話・電話部品」が+6.2%、「コンピューター・電子機器・部品」が+28.7%、「繊維・アパレル」が▲1.4%。新型コロナウイルスの感染が拡大する中でも底堅さをみせた。特に中国の経済活動の再開の影響が大きかったとみられる。一方、輸入額は同3.7%増の594億9,400万ドルだった。

[イラン] 報道によれば、4月22日、イランの革命防衛隊(IRGC)は、同国初となる軍事偵察衛星の打ち上げに成功した。同衛星は、地上425㎞の場所で軌道に乗ったとのこと。今後、諜報活動や軍事コミュニケーションに利用される見通し。イランでは昨年衛星の打ち上げに何度も失敗しており、IRGC創設41周年の記念日にようやく打ち上げに成功した。

[タイ] タイ商務省によると2020年第1四半期の輸出額は前年同期比0.9%増の626億7,200万ドル、2018年第4四半期以来、5四半期ぶりのプラスとなった。主因は、コロナ禍の影響により湖北省武漢市の工場群が操業停止となったことに伴いタイからの代替輸出が増加したこととみられる。輸入額は▲1.9%の587億3800万ドルだった。

[日本] 日本銀行は4月27日に金融政策決定会合を開催する予定。当初予定の2日間から1日のみに短縮する。また、CPや社債の買い取り額の拡充などが実施される見通し。先日発表された「金融システムレポート」では、現在の「実体経済ショック」から金融に悪影響が波及することによる相乗的な景気の悪化への懸念が示されていた。感染拡大前から、低金利下の貸出などによって金融機関の一部に脆弱性が蓄積されてきているため。

[英国] これまで政府報告は自宅や介護施設で亡くなった人を新型コロナウイルス感染による死亡者数に含めていない。一方、ファイナンシャル・タイムズ紙は、4月10日までの国内死亡者の全合計数値が異常に高いことから、新型コロナウイルス感染者の死亡件数が実際には政府報告の2倍の4.1万人である可能性があるとの推定試算を発表。英国国家統計局の統計によると、4月4日~10日の一週間に発生したイングランドとウェールズでの死亡者数は平常時の75%増しであり、過去20年間で最も高いレベルだった。

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