デイリー・アップデート

2020年4月22日 (水)

[米/中、中国] ◇4月21日に米民間調査団体のピュー・リサーチ・センターが発表したレポートによれば、米国人の対中観は著しく悪化している。2020年3月に実施された世論調査では、中国に対して良いイメージを持っているとの回答が26%であるのに対し、悪いイメージを持っているとの回答は66%に上った。中国のパワーと影響力が米国にとって重大な脅威になると回答した人は62%。この15年間で米国における対中イメージは断続的に悪化している。◇報道によれば、中国は外国人入国制限措置の緩和について、まず韓国との間で合意に至ったとのこと。ビジネスパーソンや技術者の入国を円滑にするため。シンガポールとの間でも協議を進めているもよう。

[ウクライナ] ゼレンスキー大統領が初当選してから、今週でちょうど1年が経過した。就任当初と比較して支持率は低下しているが、いまだに40%台を維持している。政府は新型コロナウイルス対策を強化し、外出自粛などを5月12日まで延長することを検討している。一方、IMFが金融支援再開の条件とする「農地売買改革」に関しては国民から批判の声が強く、ゼレンスキー政権は今後、厳しい運営を迫られることになりそうだ。

[中国] ◇4月21日、国務院常務会議が開催された。主要な決議事項は以下。①貧困者、最低生活補償金受給者、失業者に対するより手厚い支援・保障 ②零細企業に対する金融サービス強化の促進 ③サービス業の零細企業と個人事業主の家賃負担を軽減する措置の明確化(家賃を優遇した貸主には不動産税などで優遇税制を適用) ◇4月20日、財政部が本年第一四半期の財政収支を公表した。一般公共予算収入は前年同期比▲14.3%、うち税収は同▲16.4%と大幅に下落した。企業の業績悪化だけでなく、減税政策と納税猶予も減収の原因と分析されている。

[トルコ] トルコ政府は、4月から予定していたロシア製ミサイルシステムS-400の稼働を延期するとみられている。新型コロナウイルスの影響でロシア人技術者による訓練が受けられないことが理由。NATOの一員であるトルコがロシア製ミサイルシステムを導入することには米国からの強い反発があり、米議会はトルコに対する制裁発動を求めている。トルコでも新型コロナウイルスへの感染は拡大しており、感染者数は95,000人といまや中国やイランを超え、米欧諸国以外では最大となっている。

[ドイツ] ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)の景気期待指数は4月に+28.2となり、前月から77.7pt改善した。封じ込め(ロックダウン)措置の一部が緩和され始めるということで、経済活動の再開が期待されている。バンバッハ同センター所長は「金融市場の専門家が非常に長いトンネルの先に光を見出しはじめている」とコメント。一方、現状指数は▲91.5となり、前月からさらに48.4pt低下、リーマンショック直後以来の低水準になっている。

[パキスタン] 4月16日、パキスタン国立銀行(中央銀行、SBP)は緊急金融政策決定会合を開き、政策金利の引き下げ(11%→9%)を決定した。3月17日以降、3回目。インフレ率と経済成長率はそれぞれ2019/20年度(7月~翌6月)が+11~12%と▲1.5%、2020/21年度が7~9%と+2%になると予測。新型コロナ禍で今後の債務負担が深刻化するとみられる。4月15日、G20諸国はパキスタンを含む76か国に対し、要請ベースで債務返済を凍結すると表明したが、パキスタンはまだ正式にG20に対して凍結を要請していない。

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