デイリー・アップデート

2020年4月28日 (火)

[パキスタン] IMFは、パキスタンに対して13億8,600万ドルの緊急融資を実施した。加盟国に迅速な財政支援を提供する制度「ラピッド・ファイナンシング・インストルメント(RFI)」による融資。新型コロナウイルス感染拡大の影響で悪化する国際収支の改善に充当する。パキスタンはこれ以外にも、2019年7月に構造的問題から生じる慢性的な国際収支問題を抱える国を対象とした融資制度である「拡大信用供与(EFF)」を利用して60億ドルの緊急融資を受けている。再び経済環境が切迫したため、3月にパキスタン政府が緊急追加融資を要請し、4月16日にIMFが承認したという。

[日本] 総務省によると3月の完全失業率は2.5%と、前月から0.1pt悪化した。また有効求人倍率は1.36倍で、前月から0.06pt低下した。有効求人倍率の低下には、今年1月から求人票の要記載項目が増えたことから募集を控える企業があったことの影響もあった。その影響を除くと3月は1.51倍となり、2月の1.52~1.53倍からやや低下したと厚生労働省はみている。

[ロシア] 新型コロナウイルス感染者数が4月27日時点で8万7,147人に達し、中国を超えた。一方、感染による死者数は794人にとどまり、国内での死亡率は中国の6分の1で、0.91%となっている。一方、コロナ検査の合計数では、ロシアは世界で米国に次ぎ、第2位となり、現時点で200万件以上の検査が行われたことがわかった。

[フランス] パリのピティエ=サルペトリエール(Pitie-Salpetriere)病院所属の研究チームが4月22日に科学ウェブサイト”Qeios”で発表した論文のなかで、新型コロナウイルス感染拡大の早い段階で重篤化の一因とみられていた喫煙(ニコチン摂取)が、逆に感染予防・治療に役立つという仮説を発表。ベラン保健相は研究を進めることを承認したものの、保健省はニコチンを含む製品の買いだめを阻止するために販売を制限する行政命令を発表した。

[中国/豪州] モリソン豪首相が、新型コロナウイルスの流行拡大を引き起こした原因について、独立した機関による国際的な調査を求めたことに対し、在豪中国大使の成競業氏が「中国の民衆の反感を買い、豪州製品に対するボイコットを引き起こす。石炭やガスの輸出、観光客の減少、牛肉・ワインの購入にも影響が出るだろう」と「脅し」をかけたと報じられ、豪国内で批判が起きている。野党・労働党も「首相の要求を支持する」という声明を発表した。

[米国] 新型コロナウイルスの感染拡大は米国内の食肉加工業界にも多大な影響を及ぼしており、タイソン・フーズ、JBS USA、スミスフィールド・フーズといった食肉加工大手3社は合計15カ所の工場閉鎖を強いられている。4月26日付でニューヨークタイムズ紙等に全面意見広告を掲載したタイソン・フーズの会長は「米国内の食料サプライチェーンが破壊されつつある」と警告。業界アナリストらは米国内の食肉生産量は既に25%減少したと分析している。

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