デイリー・アップデート

2020年4月30日 (木)

[米国] 食肉加工企業の食肉処理工場での新型コロナウイルスへの集団感染により工場閉鎖が相次ぐ中、4月28日、トランプ大統領は「国防生産法」に基づき食肉処理工場の食肉供給継続を農務省に命令する大統領令に署名した。同大統領令の発出は牛肉、豚肉、鶏肉の供給に関する不安を払拭することが目的だが、食肉処理工場の従業員や労組からは従業員の健康や安全が後回しにされているとの批判が続出している。

[中国] 4月30日に中国国家統計局が発表した4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は3月の52から低下し50.8だった。景況感の節目である50を上回ったものの、2カ月ぶりに前月を下回った。一方、4月の非製造業PMIは3月の52.3から上昇し53.2だった。ただ、コロナ禍の影響で海外の多くの国では封鎖措置で経済活動が停止状態であるため外需の落ち込みや内需低迷が景気回復の足かせになるとみられる。

[日本] 経済産業省「商業動態統計(3月分)」によると、小売り販売額は前月比▲4.5%、前年同月比▲4.6%と減少した。内訳をみると、百貨店(前年同月比▲32.7%)やコンビニ(▲5.4%)、家電大型店舗(▲9.5%)などが減少した一方で、スーパー(+2.5%)、ドラッグストア(+7.5%)、ホームセンター(+3.4%)は増加した。現在、不要不急の外出を控えるよう求められている中で、消費者の行動が変化している。

[ロシア] 4月28日、プーチン大統領はテレビを通じて演説し、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないため、4月30日に期限が切れる外出禁止措置を5月11日まで延長すると発表した。累計感染者数は9万9,000人超と中国やイランを上回り、増加に歯止めがかかっていない。3月末から続く外出制限で経済への打撃にも懸念が強まっており、制限の緩和に向けた計画の策定も指示した。

[中国] 4月29日、北京市は、新型コロナウイルス感染拡大後、最高レベルの「1級」としていた同市の緊急対応レベルを翌30日から「2級」に引き下げると発表した。海外及び国内の中リスク地域9か所(ハルピン市6地区、牡丹江市2地区、撫順市1地区)への出入り後は引き続き14日間の隔離措置が必要だが、それ以外の国内の低リスク地域への出入りについては隔離措置が不要となった。中国は5月1日から5連休。「どこ行くネット」(『去哪儿網』:中国の旅行サイト)では、発表後30分で北京出発の航空券の予約件数が1時間前の15倍、ホテルなどの検索件数も3倍に跳ね上がった。

[中東] サウジアラビア資本の衛星TV局MBCがラマダン中に放映しているドラマ「Umm Haroun(ハールーンの母)」が物議を醸している。同ドラマは1940年代の湾岸地域に暮らしていたユダヤ人女性の話。現在イスラエルと国交を持つアラブの国はエジプトとヨルダンだけだが、ここ数年湾岸諸国がイスラエルに接近しており、サウジは米政権が発表したイスラエル寄りの中東和平案にも賛同している。このような中で敢えてユダヤ人が主人公のドラマが放映されたことに人々は疑念を抱いている。

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