デイリー・アップデート

2020年4月13日 (月)

[トルコ] トルコで新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しており、死者数が1,000人の大台を超えた。この事態を受けて、4月10日夜、ソイル内相が31都市における48時間の外出禁止令を発出。しかし、発令があまりに急だったため、大勢の人々がまだ開いている店へ食料品などの買いだめに走り、大混乱となった。12日、同内相は混乱の責任を取って辞任する旨を発表したが、エルドアン大統領はこれを拒否。通貨リラは、年初来約1割下落している。

[EU] ミシェルEU大統領が、4月23日にEU首脳会議を開催すると発表。今回のアジェンダはコロナウイルス危機後の経済回復の工程表・行動計画の協議が中心。グリーン戦略・デジタル化を組み込んだEU予算を軸としたものとなる見込み。

[中国] 4月12日、「ハイセンス」ブランドで知られる家電大手の海信集団は、整理が必要な末端要員のリストラ計画を公表した。新型コロナウイルス禍に伴う国内外家電市場の低迷により、海外販売比率が4割を超える同社の経営がますます厳しくなっているため、高級経営幹部の報酬削減を率先して行った上で、整理が必要な末端要員には「優勝劣敗の措置」を取るとしている。ネット上で流布しているような「定量的なリストラ」は否定。一方、「財新網」の取材では、本年5月末までに全社員8万人の内、20%以上をリストラするとの情報もあり、動向が注目される。

[米/中] 各国政府が新型コロナウイルス感染拡大への対応に追われる中、中国は周辺海域や台湾海峡での軍事活動を活発化。4月10日、中国の爆撃機「轟6」、早期警戒管制機「空警500」、戦闘機「殲11」が台湾周辺を飛行すると、11日には米イージス駆逐艦「バリー」が台湾海峡を航行。11日には中国空母「遼寧」など6隻が2019年6月以来初めて沖縄本島と宮古島の間を通過。現在、米空母の「セオドア・ルーズベルト」と「ロナルド・レーガン」は艦内で発生した新型コロナウイルス感染者対応のため入港中であり、「遼寧」が西太平洋を航行する唯一の空母になっている。

[インドネシア] 4月10日、ジャカルタ特別州が新型コロナウイルス対策として「大規模な社会制限」を実施した。実施期間は4月23日までの14日間(延長可能)。学校での学習、職場での就労、礼拝場での宗教活動、公共の場所での活動、社会文化活動、交通手段の利用を制限する。特に職場での就労は原則的に禁止。罰則も適用する。保健、食料、エネルギー、通信、金融、物流、ホテル、建設、生活必需品等の分野は例外。西ジャワ州も4月15日から14日間、ボゴール、デポック、ブカシで大規模な社会制限を実施すると発表した。

[ウズベキスタン] 政府が早期に打ち出した対策の効果で、国内における新型コロナウイルスの感染は他の国よりも相対的に抑制されている。現時点での感染者数は900人弱、死者数は10人弱。政府は経済対策として、10兆スム(約10憶ドル)の危機対策基金を創設し、企業活動の支援などを決めた。

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