デイリー・アップデート

2021年1月29日 (金)

[フィリピン] 1月28日、政府は、2020年通年の実質GDP成長率が前年比▲9.5%だったと発表。統計を開始した1946年以降で最悪となった。新型コロナウイルス対策としての活動制限に加え、年後半に大型台風が直撃したことが影響した。2020年10~12月期は前年同期比▲8.3%で、前期(▲11.4%)から改善。政府は2021年の見通しを+6.5~7.5%で据え置いた。

[米州] 世界全体の新型コロナウイルスの累計感染者数は1億人を上回り、新型コロナ感染による累計死者数は210万人を突破。そうした中、世界保健機関(WHO)の米州地域事務局である汎米保健機構(PAHO)が、米州全域の新型コロナ感染による累計感染者数は4,400万人以上に達し、累計死者数も100万人を超えたと1月27日に発表。感染拡大により米国、メキシコ、ブラジルでは医療施設がひっ迫している。

[世界] 1月28日、IMFは、世界の財政状況を分析した「財政モニター」を公表。2020年の世界全体の政府債務残高はGDP比で97.6%と前年の83.5%から大幅に増加した。2020年、世界的な財政支出(合計14兆ドル)は新型コロナウイルスによる消費・生産への影響を和らげた一方、経済の減速により政府収入が減少したことに加え、このような財政支出は公的債務の拡大、財政赤字を招いた。2021年の世界全体の政府債務残高のGDP比は99.7%になる見通し。

[米国] 労働省によると、1月23日までの1週間の新規失業保険申請件数は84.7万件となり、前週から6.7万件減少した。同16日までの週の継続受給者数は前週から20.3万人減の477.1万人だった。一方、同9日までの週のパンデミック緊急失業補償(PEUC)受給者数は386.4万人と4週ぶりに増加、パンデミック失業支援(PUA)は733.4万人と5週ぶりに増加した。同週の失業保険受給者数は1,828.2万人と6週間ぶりに増加するなど、雇用環境の回復ペースは停滞している。

[キルギス] 中央アジアのキルギスで1月28日、ジャパロフ氏(52才)が大統領に就任した。同氏は元野党指導者で、昨年には首相と暫定大統領を兼任していたが、今月10日の大統領選において得票率79.2%で圧勝した。ジャパロフ氏は就任式で、過去30年間に累積した対外債務を返済すると表明し「新しいキルギスは自由で豊かな国になる」と強調した。

[中国] 中国建設機械工業協会は、2020年のパワーショベル販売台数が、32万7,605台(前年同期比+39.0%)だったとのデータを公表した。この内、内販:29万2,864台(同+40.1%)、輸出:3万4,741台(同+30.5%)。国内のアナリストは、地方政府の特別債発行、環境保護圧力増大に伴う入れ替え需要喚起、コア部品の輸入代替・国産化の進展に伴う値下がり、建設業や人的コストの増大に伴うパワーショベル活用シーンの細分化が好調の背景にあるとし、2021年も前年比+10~15%の成長を予想している。

[中国] 今年の「春運」(春節前後、運輸に圧力がかかる期間として政府が設定。今年は1/28-3/8)が始まったが、今年は政府が「現地で春節を過ごす」ことを推奨しており、移動は減少している。交通運輸省の呉春耕報道官は1月28日、「今年の全国の春運期間中の利用客は延べ11億5,200万人前後、1日平均2,880万人以上だが、2019年比で6割以上、2020年比では2割以上減少する」と述べた。航空便の売上、チケット価格ともに下がっているが、都市部の飲食、ホテル、近距離旅行、映画文化消費などにはメリットもある。

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