デイリー・アップデート

2018年8月20日 (月)

[欧州] 欧州安定メカニズム(ESM)は、ギリシャの第3次金融支援を8月20日に終了したことを発表。2015年8月以降の3年間で総額619億ユーロの支援を実施した。ギリシャは2012-15年にESM前身のEFSFから1418億ユーロの融資を受けており、ESMと合わせて総額は2037億ユーロに達する。2010-12年の2国間融資(529億ユーロ)、IMF支援(321億ユーロ)と合わせて、支援額は合計2887億ユーロと前例のない規模だった。ESMは、今後も早期警戒システムの下でギリシャと協力していくという。

[米国] 8月17日、トランプ大統領は、上場企業の決算報告を現行の四半期ごとから半期ごとに改める可能性を検討するようSECに指示したことをTwitterへの投稿で明らかにした。企業幹部との話合いを経たもので、「これにより柔軟性が増し資金の節約もできる」。年2回に軽減されればEUや英国と歩調を合わせる。情報開示・透明性の後退、ひいてはボラティリティや資本コストの上昇に懸念はあるが、四半期業績発表は短期業績に対する近視眼的な見方に繋がり長期の成功を損なうとの見方も少なくない。

[オーストリア] クナイスル外相(無所属)の結婚式にクルツ首相(国民党)、シュトラッヘ副首相(自由党)の他にプーチン露大統領が出席。緑の党など野党が、政治の中立性を損なったとしてクナイスル外相の辞任を要求。連立与党で極右の自由党がロシアの与党統一ロシア党と協力協定を結ぶなど、オーストリアは親ロシア路線を明確に打ち出している。

[中国] 国内最大手の乳製品メーカーである内蒙古伊利実業集団が多額の銀行借入に加え、同社の上流:酪農家と下流:卸売業者などへの未計上の(隠れた)未払い金がかさんでいると博聞社が報じている。

[マレーシア] 2018年4~6月期のGDP成長率は前年同期比+4.5%で前期(+5.4%)から鈍化。3四半期連続で減速し5%を下回るのは1年半ぶり。輸出が伸び悩んだ。中銀は通年の成長率を当初の+5.5~6.0%から+5.0%に下方修正。

[米国] 8月20日より27日まで、USTRは対中制裁関税(301条)についての公聴会を開催する。中国からの2000億ドル相当の輸入品に対して25%の追加関税を課す措置について、関係する企業や団体が証言を行う。当初は3日間の予定だったが、6日間にわたって開催されることとなった。なお、23日には160億ドル相当の輸入品に対する関税賦課が始まる。

[小麦] 今年の世界の小麦はロシア、欧州、豪州などで干ばつにより大きく収穫減が予想されている。中でも、世界最大の輸出国であるロシアが生産減により輸出に制限をかけるのでは、との思惑から小麦価格は大きく値を上げた。2017年度は4200万トンの輸出実績があるが、今年度は3000万トンを超えた時点で輸出制限をかけるのではとの情報が流れたが、現時点ではロシア政府関係者は否定している。

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