デイリー・アップデート

2018年8月21日 (火)

[イラン] 仏TotalがイランのSouth Pars ガス田からの撤退を発表。米政権はイラン産原油の輸入を11月4日の期限までに停止しない全ての国に対して制裁を課す準備があるとしているが、中国は禁輸発動に応じない構えを継続。イラン産原油の輸入継続のため、中国船籍タンカーからイラン国営タンカー会社による原油輸送に切り替えている。

[金] 最近の金は、インドなどで地金の需要が落ちているだけでなく、地政学リスクの逃避先にもなっていない。ETFの持ち高の減少や、ヘッジファンドのショートポジションの積み上がりも目立ってきた。金価格は金利やドル指数そのものよりも、特に中国元/ドルの動きとの相関が高まってきている。

[タイ] 2018年4~6月期のGDP成長率は前年同期比+4.6%で前期(+4.9%)から鈍化したが、4%台後半の高い水準を維持。民間消費と農業生産が回復し、輸出と投資も堅調。2018年通年の政府見通しは+4.2~+4.7%。景気回復の本格化を受け、9月以降の金融政策決定会合で金融政策の正常化に向かうかどうかが注目される。

[タイ] 8月20日に国家経済社会開発委員会(NESDB)が発表した今年の第2四半期の実質GDP成長率は前年同期比+4.6%だった。過去5年で最大の伸びを記録した第1四半期の+4.9%からは0.3ポイント鈍化したが、自動車購入などの民間消費や輸出・投資が好調であったことに加え農業生産も回復した。NESDBは今年の実質GDP成長率の見込みを5月時点の+4.2~4.7%で据え置いた。

[日本] 8月20日、トランプ米大統領はインタビューでFRBの利上げについて不満を表明した。利上げを好ましくないとする発言が公になるのは7月以来のこと。これを受けて、円相場は6月以来2か月ぶりに1ドル=109円台と、円高・ドル安が進んだ。市場では9月の利上げが見込まれている中で、FRBが利上げに動きにくくなるとの観測が台頭したため。トルコリラショックでも110円台を割らなかったドル円にとって、新興国ショックよりもトランプ大統領の発言の影響の方が大きいようだ。

[中国] 「二人っ子」政策への転換の甲斐なく、出生人口は2018年も前年比減少が見込まれる。地方政府は二人出産を奨励する優遇策を公布する一方、三人以上の出産には罰金(社会扶養費)を課す政策をなおも継続中。

[南アフリカ] ズマ前大統領にグプタ家が絡む国家横領・汚職疑惑に関し、the Zondo Commissionが公開調査を開始。ズマ氏・グプタ家双方はこれまで疑惑を否定。2018年2月、ズマ大統領(当時)の度重なるスキャンダルや国家横領疑惑を理由に、与党アフリカ民族会議(ANC)の全国執行委員会が同氏に辞任を命令、ラマポーザANC議長(当時)が大統領に就任している。調査結果の公表は2年後になる可能性。

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