デイリー・アップデート

2018年8月22日 (水)

[米国] 8月21日、ロシア疑惑捜査の一環で詐欺罪などで起訴されたトランプ陣営の元選対本部長、ポール・マナフォート被告の裁判で有罪評決が下された。同日、トランプ大統領の個人弁護士を長年務めていたマイケル・コーエン氏も、選挙資金法違反などを認め、違反行為がトランプ氏の指示によるものであったことを示唆する陳述を行った。

[マレーシア/中国] 8月21日に終了した5日間のマハティール首相の中国公式訪問に合わせ、両国の中央銀行は20日、通貨スワップ協定の延長で合意した。交換限度額は1,100億リンギ(約2兆9,701億円)に対し1,800億元、期間は3年間。金融安定化が狙い。協定は2009年に締結、2012年と2015年に改定されている。

[イタリア] ジェノヴァのMorandi橋崩落はジェノヴァ港及びイタリアとフランスの様々な運送会社に大きな影響を及ぼす。毎日ジェノヴァの港へ国道A10号線を経由し5000台のトラックがMorandi橋を通行していた。今後、この5000台のトラックは150キロメートルの遠回りを余儀なくされることから、ジェノヴァと港周辺の交通量が増加するものとみられる。それにより、ジェノヴァ港の物流は停滞し、A10号線の街道を通行するトラックの運賃が上昇する可能性が高い。

[米国] 米トランプ政権はオバマ前政権時代に制定された発電所のCO2排出量規制「Clean Power Plan(CPP)」の大幅緩和案、「Affordable Clean Energy(ACE)」を発表。CPPは、各州に火力発電所の排出削減目標量を示し、削減計画の提出を求めたが、ACEは火力発電所(特に石炭)の効率性向上にのみ特化。各州はACEのガイドラインに沿って火力発電所の効率向上による温室効果ガスの削減計画を提出するが、明確なCO2削減目標は設定されない。

[小麦] ロシアでは干ばつにより小麦の減産が見込まれており、先週金曜には輸出量の制限や輸出税などの規制導入の思惑から小麦価格は値を上げていた。しかし、今週に入ると政府関係者が規制について否定したことや穀物生産見通しが上方修正されたことに加え、規制の思惑から生産者が売り急ぎ一時的な供給過多となる可能性から反落。

[アンゴラ] IMFに再度支援のための交渉開始を要請。38年間続いたドス・サントス前大統領の後任に、ローレンソ大統領が2017年9月に就任して以来、前政権とかかわりの深い人物の解任や通貨の切り下げなど様々な政治・経済政策の改革の実行を試みているが、はびこる汚職を背景に結果は芳しくない。IMFは、同国の構造改革を条件として資金支援の意向。なお、現在もドス・サントス前大統領は与党MLPA党首だが、9月にローレンソ大統領に交代の見込み。

[マレーシア] 8月17日~21日にマハティール首相が訪中し、習近平国家主席と李克強首相と会談。21日に中国主導の鉄道計画は「中止する」とあらためて明言。一方、李克強首相は20日の記者会見で本件に言及しなかった。18日にマレーシアの国産車会社プロトンと同社に出資している吉利集団が中国での車の販売と生産の合弁を行う合意を締結し、マハティール首相も合意書の調印式に出席した。

[中東] 先週発表された国連レポートによると、過激派組織イスラム国(IS)のカリフ国家は崩壊し多くの戦闘員が殺害されたにもかかわらず、シリア、イラクには未だにIS戦闘員が2~3万人潜伏しているとのこと。また、IS戦闘員はリビア及びアフガニスタンにもそれぞれ3~4千人存在し、傾向として多くの戦闘員がアフガニスタンに移動している。ここ1年ほどISによるテロは減少しているものの、一時的な可能性もあり、まだまだ楽観できない。

[北米] 8月21日からメキシコ政府の交渉団がワシントン入りし、USTRとのNAFTA交渉を継続する。7月末の再開から米墨閣僚交渉が毎週、開催されており、今週中に二国間交渉が大枠合意し、カナダを加えた三カ国間協議に戻るか、との観測もある。

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