デイリー・アップデート

2018年10月4日 (木)

[IMF] 9月3日、国際通貨基金(IMF)は、「世界経済見通し(WEO)」の分析部分を公表。2008年の世界金融危機は、いまだに成長の伸び悩みや政府債務増などの悪影響を残し、世界の半分の国々の経済活動は金融危機以前の水準を下回っていると指摘している。また、この危機は出生率の低下、移民の減少、所得格差をもたらし潜在的成長へ悪影響を与え続ける兆しがあるとも指摘している。全文は9日、インドネシアで開催されるIMF年次総会で公表される。

[米国] ISMによると、9月のISM非製造業景況感指数は61.6と、前月(58.5)から上昇した。製造業同様に、非製造業の企業経営も堅調に推移していることがうかがわれる。また、全米小売協会(NRF)が発表した見通しによると、年末商戦(11-12月の自動車とガソリンを除く小売売上高)は、前年比+4.3~+4.8%となり、過去5年の平均を上回る見込みという。雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費が堅調に推移している様子がうかがえる。ただし、対中制裁関税第3弾の悪影響の大きさが懸念材料である。

[ロシア] 政府はロシア経済の米ドル決済への依存度を低下させる政策を策定しようとしている。欧米による対露経済制裁の更なる強化に備える動きとみられている。具体的には対外貿易でルーブル決済比率を増やすこと、企業登録の海外からロシア国内への移転を促すことや、国内金融市場を拡大させる方針を検討している。

[トルコ] 9月のインフレ率は前年同月比+24.5%と、過去15年にない高水準になった。内政問題や対米関係の悪化による急激なリラ安で、食料品などの価格が高騰したことが原因と考えられる。トルコで自宅軟禁状態にあるブランソン米牧師の法廷審問が10月12日に予定されており、その結果、対米関係が改善するかがポイント。牧師が釈放されず対米関係がさらに悪化した場合は通貨リラに悪影響が出る恐れもあり、10月25日の金融政策会合での中銀の次の対応が注目される。

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