デイリー・アップデート

2021年3月5日 (金)

[米国] 労働省によると、2月27日までの一週間の新規失業保険申請件数は74.5万件となり、前週から0.9万件増加した。増加は3週間ぶり。20日までの週の継続受給者数は429.5万人であり、7週連続の減少になった。なお、パンデミック緊急失業補償(PEUC)とパンデミック失業支援(PUA)受給者数はそれぞれ446.7万人、732.8万人であり、前週から減少した。足もとでは経済活動が段階的に再開しつつあり、雇用回復がどこまで進むかが注目される。

[イスラエル/イラン] 2月25日、サウジアラビアからシンガポールに向かっていたイスラエル企業所有の貨物船(バハマ船籍)が、オマーン湾航行中に爆発を起こし船体に複数の穴が開く事件が発生した。負傷者や大きな被害はなかったが、船は修復のためドバイの港に入港。イスラエルの治安関係者もドバイ入りし調査を行った。まだ爆発の真相などは究明されていないが、イスラエルのネタニヤフ首相は「イランの仕業であることは明白」と根拠は示さずに発言した。イラン政府は関与を否定している。

[米/英] 3月4日、米通商代表部(USTR)は、エアバス・ボーイング補助金問題に関し、英国産品に対して課していた制裁関税を4か月間停止すると発表。その間、補助金問題の解決に努めるとともに、中国など新たな競争相手への対策についても提起を行う旨、共同声明にて述べた。英国は2021年1月1日より、一方的に対米制裁関税を停止しているが、当該補助金問題をめぐっては米EU間で報復関税賦課の応酬があり、米英二国間のみで解決できる問題ではない。今後の米EU交渉にどのような影響を及ぼすのかが注目される。

[米国] 総額1.9兆ドルの新型コロナ経済対策法案が2月27日に下院本会議で賛成多数で可決されて上院に送付されたのを受け、バイデン大統領は次に成立を目指す主要法案としてインフラ整備法案に焦点を当てており、本日(米国時間3月4日)、下院運輸・インフラ委員会所属の超党派の下院議員グループをホワイトハウスに招いて会談した。バイデン政権は、インフラ整備法案の成立に向けての動きを本格化している。

[EU/イタリア] FTの報道によれば、2月の最終週にイタリア政府がオーストラリアへのワクチン出荷(25万回分)を差し止めることを欧州委員会に要請し、3月2日に承認されていたという。EUの輸出管理措置の初の発動であり、今後、ワクチン外交紛争の引き金となり、ワクチン供給・接種競争の緊張へとつながることが懸念されている。

[中国] 第13期全国人民代表大会(全人代)第4回会議が、3月5日~11日の会期で開幕した。5年前の第12期第4回会議(3月5日~16日)と比べ会期を短縮。主要議題は、政府活動報告、前年度の計画実行状況と本年度の計画草案、同予算など定例議題の他、第14次5か年計画と2035年までの中長期目標綱要草案、「香港特別行政区の選挙制度改善の決定」など計10議案。5日の政府活動報告で、李克強総理は、今年度の経済成長目標を6%以上、都市部新規雇用1,100万人以上、同調査失業率5.5%前後などの目標を発表した。

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