デイリー・アップデート

2021年3月22日 (月)

[世界] 3月19日、国連は、世界各国の幸福度をランキングで示した「世界幸福度報告書」2021年版を発表した。フィンランドが4年連続で1位となった。2位はデンマークで、スイス、アイスランド、オランダと続いた。世界149か国・地域を対象に国内総生産(GDP)、社会的支援、他者への寛容さ、寿命、自由度、国への信頼度、汚職の深刻さといった指標を用い各国の幸福度を比較している。アジアのトップはシンガポールで世界32位だった。

[EU] 3月25日から2日間の日程で行われるEU首脳会合でEUのトルコに対する対応が協議されることを受け、19日にミシェル大統領とフォンデアライエン委員長がエルドアン大統領とテレビ会議を行った。会議後のEUの声明文によると、より前向きな関係構築のために「持続的な緊張緩和」と「信頼性構築」の重要性を強調し、3月のサミット後にEU側がトルコを訪問する可能性にも言及していることから、関係改善の兆しも見えるが、NATOは警戒姿勢を崩していない。

[北朝鮮/マレーシア] 3月19日、北朝鮮外務省は、マレーシア(馬)との外交関係を断絶すると発表。同日、馬外務省もクアラルンプール在住の北朝鮮大使館職員とその家族に対し、48時間以内に馬を去るように命じるとともに、事実上閉鎖されている平壌の馬大使館の撤収を公式発表した。マネーロンダリングなど対北朝鮮制裁違反容疑で起訴された北朝鮮実業家のムン・チョルミョン(文哲明)被告の米国への身柄引き渡しを馬最高裁が決定し、3月17日に引き渡されたことに北朝鮮が反発した。

[米国/中国] 3月18、19日に米アラスカで行われた米中外相トップによる会談は、メディアに公開された開始後1時間にわたる非難の応酬のあとは、比較的理性的に話し合いが進められたという。事前に予想されていたとおり、重要な問題での進展は見られなかった。会談後、米国側はイラン、北朝鮮、アフガニスタン、気候問題で協力の可能性があると述べた。(中国側は、これに加えて軍事、法執行、文化交流、ミャンマーについても話し合いと協力を続けていくと発表した。)

[トルコ] 3月19日夜にエルドアン大統領がアーバル中銀総裁を解任した。アーバル総裁は、その前日の金融政策決定会合で市場の予想を上回る2%の利上げを発表したところだった。新総裁となったカヴジュオール氏は、エルドアン大統領が党首を務める公正発展党(AKP)の元議員でもあるエコノミストで、大統領の意向に近い金融政策を実行すると見られている。総裁解任の発表を受けて、通貨リラは一時、対ドルで17%急落した。

[米国] 3月23日と24日の両日、ベルギー・ブリュッセルのNATO本部でNATO外相理事会が開催されるが、主要議題の一つは米国にとり史上最長の戦争となっているアフガニスタン撤退問題。3月21日、オースティン国防長官はバイデン政権の高官として初めてアフガニスタンを訪問し、ガニ大統領と会談。トランプ前大統領は反政府武装勢力タリバンとの協議で米軍の全面撤退時期を今年5月1日に設定したが、アフガニスタン情勢は厳しい状況が続いており、同期限遵守は困難とみられる。

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