デイリー・アップデート

2021年3月24日 (水)

[EU] 3月25日から2日間の日程で開催されるEU首脳会合で、ワクチン供給・分配問題に関する協議が行われるが、EU各加盟国の方向性が定まっていない。フランスとイタリアはEU域内で生産されたワクチンの域外輸出制限を支持する一方、アイルランドは反対しており、ドイツは慎重な対応が必要との見解。

[イスラエル] 3月23日、過去2年間で4度目の総選挙がイスラエルで実施された。出口調査によると、ネタニヤフ首相のリクード党が最大得票政党にはなると予想されているものの(120議席中30-33議席獲得の予想)、今回も明確な勝者はおらず、今後の連立政権の組閣が困難になるだろうとの予想に加え、今年中の5度目の選挙の可能性も指摘されている。おそらく今週後半には選挙結果が出て、大統領が各党党首と話し合った後暫定的に首相候補を指名し、その後数週間にわたる連立組閣交渉が始まることになる。

[米国] バイデン政権は総額1.9兆ドル規模の新型コロナ経済救済策である「2021年米国救済計画法案」を3月11日に成立させたが、次の立法アジェンダとしてインフラ整備、教育や職業訓練の強化を重視する総額3兆ドル規模の第2弾経済対策を目指す方針であり、経済政策立案チームは週内にバイデン大統領に説明を行う予定。財源には法人税率の引き上げ等が検討されているため野党・共和党は反発しており、法案審議の難航は必至とみられる。

[中国] 3月22日、工業・情報化部は、昨年の通達に基づき専門家が選定した「先進的な製造業クラスター(CL)」コンテストの優勝者を公表した。深圳次世代情報通信CL、同先進的電池材料CL、上海集積回路CL、株洲先進的軌道交通設備CL、上海張江バイオ医薬CLなど25のCLがある。第14次5か年計画では、これらの選定されたCLへの産業集積が推進され、政府による重点的育成・支援の対象となり、世界の優勝者を目指すという。中国は「中国製造2025」とは言わなくなったが、実態面ではハイテク産業の育成が進みつつある。

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