デイリー・アップデート

2021年3月19日 (金)

[米国] 労働省によると、3月13日までの1週間の新規失業保険申請件数は77.0万件となり、前週から+4.5万件の増加となった。また3月6日までの週の継続受給者数は412.4万人となり、9週連続で減少したものの、減少幅は▲1.8万人と小さかった。2月27日までの週のパンデミック緊急失業補償(PEUC)受給者数は481.5万人、パンデミック失業支援(PUA)は761.5万人といずれも2週ぶりに減少したものの、昨年末の水準を上回っており、雇用回復は道半ばの状態が続いている。

[米国] 3月18日、ブリンケン国務長官は声明を発表し、ロシア産天然ガスをドイツに送るためのパイプライン建設計画 「ノルドストリーム2」 に反対する姿勢を改めて明らかにした。同計画に反対して、米連邦議会が制裁法を可決していることから、バイデン政権としてはその執行に着手するとして、建設計画に関わっている事業者は制裁対象になるリスクがあると警告した。バイデン政権は、かねてより同計画への反対を表明してきたが、今回の国務長官声明では、近日中に具体的な制裁発動があり得ることを示唆した。

[米国] バイデン大統領は就任後最初の100日間で新型コロナウイルスワクチンを1億人の米国民に接種することを公約に掲げていたが、そうした事前の目標よりも6週間以上早く3月19日にも達成できることが確実な情勢。3月11日には1.9兆ドル規模の新型コロナ経済救済策である「2021年米国救済計画法案」に署名して成立させており、相次ぐ公約の実現はバイデン大統領にとって重要な政治的勝利と位置づけられる。

[中東欧] 中東欧で新型コロナウイルスの感染状況が悪化している。ポーランドやハンガリーでは新規感染者数が昨年後半以降で最多を記録。また、チェコとスロバキアは共に、新型コロナウイルスによる死亡率が世界最悪水準となっている。ポーランド政府は3月17日、新型コロナウイルスの感染封じ込めのため、20日から全土で規制を強化すると発表した。

[EU] 3月17日に欧州委員会がグリーン証明書発行案を発表。正式な発行は、EU加盟国首脳の合意と欧州議会の承認が必要であることから、6月中旬がめどとされる。証明書に記載される情報は、氏名・生年月日・発行日・ワクチンの種類に加え、検査結果(陰性証明)、回復履歴(180日以内の回復診断書)など。欧州委員会は、ワクチン接種が自由移動の前提条件ではないと強調している。

[中国] CO2排出削減に向け、宝武鋼鉄集団(粗鋼生産世界・国内1位)は、2023年:ピークアウト、2035年:ピークから30%削減、2050年:カーボンニュートラル達成、河鋼集団(同世界4位、国内2位)は、2022年:ピークアウト、2025年:ピークから10%以上削減、2030年:30%以上削減、2050年:カーボンニュートラル達成という目標を掲げた。河鋼集団では、風力・太陽光発電で生成した水素で鉄鉱石を還元する計画がある。宝武鋼鉄集団はリオ・ティントと、河鋼集団はBHPグループとそれぞれ低炭素製鉄技術などで提携している。

[ベトナム/英国] 現地報道によると3月17日、ベトナム商工省のダン・ホアン・アン次官は、ベトナムと英国の自由貿易協定(UKVFTA)を5月1日に正式発効させる意向を示した。同国はEUとの自由貿易協定(EVFTA)を締結しているものの、英国のEU離脱に伴い新たにUKVFTAを2020年末に締結、2021年1月1日から暫定適用していた。英国は、環太平洋連携協定(CPTPP)への参加についても意欲を示している。

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