デイリー・アップデート

2020年7月31日 (金)

[マレーシア] 7月28日、マレーシア統計局が発表した2020年6月の貿易統計(速報値)によると貿易黒字は前年同月比+98.7%の209億リンギで過去最大となった。6月の輸出額は前年同月比+8.8%の829億リンギ(約2兆600億円)と5月の同▲25.5%からプラスに反転(5月の輸出は、リーマンショック後の2009年5月以来で最大の落ち込みだった)。6月の輸出は前月比では+32.3%。電気・電子(E&E)製品などの製造業や農業セクターが好調だった。6月の輸入額は前年同月比▲5.6%の620億リンギで、4か月連続で減少を記録。

[米国] 2020年第2四半期のGDP成長率は前期比年率▲32.9%と、過去最大の落ち込みとなった。COVID-19対策として経済活動が制限されたため、個人消費や設備投資、住宅投資、輸出入などが大幅減。一方、3兆ドルの経済対策もあって政府支出は増加した。足元にかけて感染が拡大したため、部分的な経済活動制限も実施されており、雇用環境の回復が進んでいない。そのため、Q3は回復傾向になると予想されるものの、回復は緩やかなものにとどまるとみられる。

[マレーシア] 7月28日、クアラルンプールの高等裁判所(一審)が1MDBの巨額資金流用事件で起訴されたナジブ元首相に7件の有罪判決を言い渡した。首相経験者に有罪判決が下された初のケースとなる。30日、ナジブ元首相は控訴。控訴審での審議を経て判決が確定するには今後数年かかる見通し。

[米国] 7月30日、ポンペオ国務長官は上院外交委員会主催の公聴会に1年3か月ぶりに証人として出席し、「トランプ政権の対中政策に対する国際的支持が広がっており、形勢は変わりつつある」との認識を示して自らの対中政策を誇示。一方で、中国が香港に対して「香港国家安全維持法」を施行したことについて支持を表明する国があることに不満を表明。上院外交委員会の少数党筆頭理事メネンデス上院議員は、「トランプ政権は国際社会で後退を余儀なくされている」と厳しく批判した。

[英国] スコットランド議会のスコットランド保守党のカーロウ党首が突然の党首辞任を発表。ジョンソン保守党中央政権のコロナ危機対応に不信感が高まる中、スコットランドではスタージョン第一首相(スコットランド国民党)の手腕が評価されており、来年5月のスコットランド国民議会選挙に向け、自身が適任ではないことを理由にしている。一方、スコットランドでは独立に向けた機運が再度高まっている。

[中国] 7月30日に開催された共産党中央政治局会議で、今年の中国共産党第19期五中全会が10月に開催されることが決定した。主要議題は①第14次5か年計画の策定および2035年を見据えた中長期目標の設定、②現在の経済情勢分析と今後半年の経済政策等になる見込み。「世界は百年に一度の大変化の中にあり、ますます複雑化し不安定さと不確実さが増している。中国が直面する問題の多くは中長期的であるため、持久戦の角度から、『国内大循環』を主体としつつ国内・国際の双循環を促進するような発展を形成しなければならない」という見方が提示された。

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